キサラギ~密室劇の傑作誕生?
2007年 07月 03日
現在、満足度一位など、多くの映画ファンから
支持されている映画といえば、「パイレーツ~」
ではなくて、究極の密室劇といえば、言いすぎ
でしょうか?
ロングラン公開も決定しました。
脚本が
『ALWAYS 三丁目の夕日』の古沢良太
映画「キサラギ」
自殺した清純派アイドル・如月ミキ。
彼女の一周忌に、サイトで知りあった
熱狂的なファン5人が集まることに。
最初はミキのことを語り合おうという話
だったのだが、一人の「ミキは殺されたんだ」と
いう発言から、5人のそれぞれの過去、秘密が
暴く推理ドラマへと展開していく。
果たしてミキは殺されたのか?
そして、5人の男たちは、いったいどんな過去を
持つのか?
アイドルオタクの5人組のよる究極の密室劇の
始まりは始まり。
練りに練った脚本に、素晴らしい俳優がいれば、
そんなに予算はかけなくても、すごい映画が出来る
んだと、「運命じゃない人」でも実感しましたが、
この映画でもさらに実感出来ましたね。
・集まりを呼びかけた、家元(小栗旬)
・福島県からわざわざ来た、安男・
塚地武雅(ドランクドラゴン
・オダ・ユージ役にユースケ・サンタマリア
・スネーク役に小出恵介
・イチゴ娘には実力派俳優の香川照之
この豪華な5人の顔ぶれによる、究極の
ジャズでいうところの、ジャムセッションが見られます。
芸達者な5人の演技を本当に堪能してもらいたいです。
「運命じゃない人」では、時間軸を上手に使って
いましたが、この映画も時間軸ならぬ、人物軸を
巧みに使っていますんので、
「え~、お前は○○だったのか~?」と
サプライズの連続であります。
ロングランも決定しましたが、お早めに。
佐藤祐市監督の舞台挨拶もあり、かなり喋りが得意な
監督で、トークで沸かせていました。
待望の続編はないということですが、ラストのオチが
気になりますね。
そして、究極の密室劇といえば、この映画も
忘れてはいけません。
現在OS名画座、「50年代 アメリカ映画の輝き」
特集で第1弾に抜擢された、
「12人の怒れる男」
有罪確実とみられた少年による実父の殺人事件。
陪審員の12人は別室で、最後の審議をする。
様々なバックグランドを持つ12人。
有罪確実の審議など興味なく、早く帰りたがっている。
しかし、一人の男(ヘンリー・フォンダ)が投げかけた
有罪へのひとつの疑問が、少しずつ少しずつだが、
他の陪審員の気持ちを揺らぎだしていく。
果たして判決はいったいどうなっていくのか?
見た目や出身地、言われ無き偏見でいかに人は
人を別の角度から見ているかが、それにいかに
人は傷つけられているか。
ずしりとくる重き内容ながら、こちらも脚本が
見事で、90分間、スクリーンから目を離れさせない。
特に登場人物のアップの映像が、人物の気持ちが
伝わってくるようです。
民主主義とはなにか、そんな問いにも答えてくれる
映画となっています。
DVDで昔の密室劇に酔い、映画館で今の密室劇に酔う。
なんとも贅沢な時間の使い方です。
by fyamasan
| 2007-07-03 02:29
| 邦画