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ミツバチのささやき/エル・スール

確か、まだ堂島に大毎地下劇場があった頃、
この「ミツバチのささやき」「エル・スール」も何度か
上映されていたと思います。

でも、僕は見る機会がなく、「ミツバチのささやき」は
1973年製作なんで、ようやく36年経ってみることが出来た
訳になります。

ちなみに、「エル・スール」は1983年製作です。
30年、20年経ってもいまだにその輝きは変わらない。
不朽の名作の紹介であります。

大阪は梅田ガーデンシネマ、東京はユーロスペースで上映中

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◆『ミツバチのささやき』

監督+原案:ビクトル・エリセ/音楽:ルイス・デ・パブロ/出演:アナ・トレント、
イサベル・テリェリア、フェルナンド・フェルナン・ゴメス

ビクトル・エリセ監督の記念すべき長篇第一作。
撮影はフランコ独裁政権時代の1973年に行われた。
繊細な感性と、純粋極まりない簡潔さの映像と音が綴る、1940年代
カスティーリャ地方の小さな村の、内戦に敗れた養蜂家の物語。
巡回上映で『フランケンシュタイン』を観た少女アナが、姉イサベルのフランケンシュタインは
現実にいる、<ソイ・アナ(私はアナよ)>と呼びかければ
いつでも出てきてくれるという話を信じて、探し始める…。

アナ・トレントのつぶらな瞳がフランケンシュタインを見つめ、
呼びかけに応じるように現れた内戦の兵士にリンゴをさしだす場面など、
数々の忘れえぬシーンから、ラストでは一挙に映画館でしか味わえぬ、
神秘的な光の横溢に昇華する。


◆『エル・スール』

監督+脚本:ビクトル・エリセ/撮影:ホセ=ルイス・アルカイネ
出演:オメロ・アントヌッティ、ソンソレス・アラングーレン、イシアル・ボリャン

『ミツバチのささやき』から10年、生まれ故郷アンダルシアを捨てて
活きる主人公の父(オメロ・アントヌッティ)の、南=エル・スールへの
断ちがたい想いを、娘の目を通じて描く。
エリセ夫人のアデライダ・ガルシア=モラレスが書いた小説が原作。
冒頭、窓の外の光が明るんでいく父の家出の場面をはじめ、
8歳の少女エストレリャが水源の位置を振り子で当てる父に従う場面や、
父がカフェで手紙を読んでいるのを、窓の外から見つめる場面、
15歳に成長するワンシーンの秋の見事なシーンがわりや、
アンダルシアの幻想の場面など、息をのむ美しさで物語が展開する。

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2本の映画を見て、映画というより、絵画を堪能したような気になった。
叙情、詩情豊かな映像に引き込まれた優雅な時間でした。

「ミツバチ~」ではアナを演じたアナ・トレントのつぶらな瞳には
たまらない魅力を感じた。

光と影の見事なコントラスト、特に暗闇の描き方が良いですね。
スペインの舞台となる村は寂しいところなんですが、寂しさと
こころ休まる何かを感じさせる映像ですね。
色彩美も素晴らしい!


これは何度となく見ていきたい映画でありますね。
映画館で見れて良かった(^。^)


スペインの現代史をもっと知っていれば、さらに映画の内容、
監督が描きたかったものが分かるのでは、ないでしょうかね?


素晴らしい映画でした! 天晴れ!
by fyamasan | 2009-04-17 02:42 | ヨーロッパ映画

メジャー監督、デビューを目指して!


by fyamasan
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