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メジャー監督、デビューを目指して!

あの夏の子供たち~父との最後の、あの夏を

予告編見た時から、なんか泣きそうだなあと思ってました。
でも、予想とは違う展開に戸惑いました。

実話から生まれた映画であります。


映画「あの夏の子供たち」

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あらすじ:
映画プロデューサーとして精力的に働き、家に帰れば妻と3人の
娘たちをこよなく愛する父グレゴワール・カンヴェル
(ルイ=ド・ドゥ・ランクサン)。
魅力にあふれ周囲の信頼も厚い彼だったが、不況の波が押し寄せ
資金繰りが悪化していく中、自ら命を絶ってしまう。
突然の死にぼう然とする母娘に残されたのは、多額の借金と
未完成の映画だった……。


戸惑ったのは、最初の数分で父親が亡くなり、その後の
家族の話が描かれるのだろうと、考えていたら、ほぼ、
映画の半分は父親の日常を描いていることでした。

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ダンディな父親。
仕事は愛する映画のプロデューサーをして、家に帰れば
妻と三人の娘の父親。
週末には家族で郊外へ出かけ、リフレッシュする。

絵に描いたような素晴らしき男であり、家族であります。

しかし、実際、会社の経営は火の車で、破綻寸前。
新作映画も、なかなか順調に進んでいない。
頼みの銀行にも、交渉は決裂。

そして、男が選んだのは、自殺だった。

本当に淡々と描いているので、そんなに追い込まれていない
男がなぜ、自殺?と思ってしまう。

シナリオを勉強している僕にとっても、主人公の葛藤は
ドラマの醍醐味で、いかに観客を共感させるかに、あります。

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この映画では、それをあえて、していないのでしょう。
淡々と、淡々と描くことにより、より日常がリアルになる。
取り残された家族の姿を描くことで、父親の存在の大きさが
クローズアップされるという、なにやら、逆転現象のような
ものが起こります。

こういう書き方、展開の仕方があるんだなあと、ひとつ
勉強になりました。

何事にも代えがたい者を失った喪失感を、
本当に淡々と、映像は綺麗に、リアルに描くことで、
深く描写するよりも、ストレートに伝わってきた映画で
ありました。

映画製作者、プロダクションの仕事ぶりがうかがえるのも
なかなか興味深いものです。

父親が亡くなった後、家族で仕事場に行き、父が座っていた
イスに腰掛ける、妻と娘たちの姿に、ググッと、涙が
こみ上げてきました。


最後に、この映画のタイトルにもある、子供たちですが、
これは二通りの意味があり、ひとつは文字通り、彼の
娘たち=子供たち。
そして、もうひとつは彼が製作した、これまでの映画、
それが彼にとっての子供たちでもあるのですね。
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by fyamasan | 2010-06-19 01:36 | ヨーロッパ映画 | Comments(0)