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メジャー監督、デビューを目指して!

メゾン・ド・ヒミコ~ゲイのための老人ホーム

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映画「ジョゼと虎と魚たち」という映画を
ご存知でしょうか?
田辺聖子原作の映画化で、障害を持つ
女の子と普通の大学生の男の子の、
出会いと別れを独自のユーモア&エロスを
交えて描いた映画。

この映画の監督は犬童一心で、
脚本は渡辺あや。
このコンビの5年ぶりの新作が、
紹介する映画、「メゾン・ド・ヒミコ」。
主演は柴咲コウ × オダギリジョーときた
これは、見るしかないでしょう!

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柴咲コウ演じる沙織は、昼は事務員、
夜はコンビニでバイトをしていたが、
借金があるので、思い切って風俗店で
働こうかと思っていた。
(なぜ、借金があるかは、映画で詳しく)

そんな時、一人の男が現れた。
オダギリジョー演じる、岸本春彦。
男前の彼は、沙織に、沙織の父がガンで
余命いくばくもない。
そこで、彼が経営する老人ホーム
(メゾン・ド・ヒミコ)で、週に一度だけ、
バイトしないかと、もちかける。
バイト料もかなりいいし、遺産相続も考えればと。
お金が切実に欲しい、沙織は思い切って
その老人ホームへと向かった。

ただ、この老人ホームは普通の老人ホームじゃない。
ゲイの人たち向けの老人ホーム。
沙織の父、照雄(田中泯)は幼い沙織と母親を捨て、
ゲイバー「卑弥呼」の二代目を継ぎ、自身の病気と
ゲイ仲間の為に、この老人ホームを作った。
そして、この春彦は、照雄の最後の恋人だった。

お金の為とはいえ、母と自分を捨てて、自分勝手に
生きてきた、この「ろくでなしな男」の老人ホームを
なぜ、私が世話しないといけないの?

父への反発心がいっぱいだった沙織だったが、
ホームに住む、かなり変わったゲイの人たちとの
交流を得て、気持ちは少しずつ変化していく。
だが、父に捨てられ、苦労して病死した母が
実は父とその後交流があり、決して、不幸せじゃ
なかった事を知った時、なぜか自分だけ
取り残された気がしていた。

ゲイの人たちの生き方も分かるが、それでも照雄の
した事が許せない沙織は、ベットで横たわる照雄に、
自分思ってる事を、飾らない言葉で伝えた。
そして、思いもかけない照雄の言葉を聞いた。
それは、。
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実際にこのような老人ホームがあるのかは、
知らないが、あれば、この映画のように、
小学生から悪意あるイタズラや
偏見の目で見られるのは、確かだと思う。

照雄や他のゲイの人たちは、家族を捨て、
本当の自分を求めて、生きてきた。
他の人たちをどんなに傷つけたとしても。
しかし、人間には「死」がいつか訪れる。
人間誰でも死ぬのは怖い。
まして、「ゲイ」として、社会から
言われない差別を受けてきた人たちだ。
老後の不安は一層高い。

なかでも、歌澤虎右衛門演じる、
ルビィは明るい性格で、沙織にもちょっかいを
出していたが、脳卒中で植物人間状態に
なってしまう。
そんな彼には、5歳の時に捨てた家族の
息子が一人、身内として残っている。
しかし、彼は父がゲイであることを
知らないでいた。
介護には多額のお金がかかる為、
このホームではルビィを世話出来ない。
そこで、息子に引き取ってもらう事になった。
沙織はなぜ、本当の事を言わない?と、
詰め寄るが。

果たして、本当の父の姿を知った時に、
息子は受け入れるのだろうか?
ゲイの仲間が、「息子が父を受け入れてから、
迎えにきたのでは、遅すぎてルビィは死んで
しまっている。
「それは沙織さん貴方が一番分かってるはず」
というセリフには、ずっしり来るものがあった。

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何か、少し硬い話のようになって
しまいましたが、笑えるシーンもあるので、
ご心配なく。
特に、ルビィがぶすっとしている沙織に、
言うせりふが凄い。
「ぶすっとしているブスは、ばばあのオカマ
より嫌われるわよ~」や
「ブスの処女と、性病持ちのオカマ、
どっちがいい~?」。

また、ディスコでゲイの仲間らが、
沙織らとダンスするシーンは、凄く楽しそうな
雰囲気で、見ているこちらも、いい気持ちになる。
かかってる曲は、「また会う日まで」の
ディスコバージョン。

さて、この映画のオダギリジョーは、
惚れ惚れするほどのカッコよさである。
もし迫られたら、どうしよう?
なんて真剣には考えませんよ。

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柴咲コウも化粧もあまりせず、ブスな女性を
演じてますし、
個性的なゲイの人たちを演じる役者さんも、
芸達者ですね。

音楽も一度聞いたら耳に残る、そんな印象的な
メロディーです。

見終わってすぐより、しばらく時間が
経ってからの方が、いろいろな感想が
出てきそうですね。

最後に、脚本を書いた渡辺あやさんの言葉。

「愛を触媒に、生と性と死は、喜びにも苦しみにも
変化する。映画が映すのは、
そのグラデーションの詳細です。」
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by fyamasan | 2005-09-13 02:31 | 邦画 | Comments(0)