蝉しぐれ~時代劇の純愛
2005年 10月 18日
「たそがれ清兵衛」のヒットから、藤沢周平作品が
映画化されるようになりましたが、ついに藤沢
文学の最高作の「蝉しぐれ」(監督 黒土三男)が
映画化となりました。
江戸時代、舞台は海坂(うなさか)藩。
下級武士の子、牧文四郎は、
成人前に尊敬する父が藩の
世継ぎ騒動に巻き込まれ、
切腹されられてしまう。
反逆の子として、後ろ指さされるも、
懸命に母を守り、生きてきた。
そんな文四郎にかって父に切腹を命じ、
今や藩の実権を握る里村左内から
お家の名誉回復を言い渡される。
しかし裏には、文四郎の初恋の相手でもあり、
今や殿の側室となったふくに絡む世継ぎ問題が、
関係していた。
この映画、日本の四季折々の風景の描き方が
すばらしく、改めてこんな綺麗な国に、
自分は住んでいるんだなあと
恍惚と誇りと感じました。
ストーリーは簡単に言ってしまえば、
純愛にあたります。文四郎とふく。
お互い初恋同士、しかし、身分の違い、その他、
もろもろの事情で実らなかった恋。
殿の側室となったふくが文四郎にこう言います。
「文四郎さんのお子が私の子で、私の子どもが
文四郎さんのお子であるような道はなかったのでしょうか」
もうこのあたりは涙がボロボロとなり
続く文四郎のセリフがまた涙を。
「それが、私の生涯の悔いでございます。」
そして、指を見せて(子供の時に蛇にかまれた
指を文四郎は口で毒を吸ってくれた)
「この指をおぼえていますか」
「忘れようと、忘れ果てようとしても、
忘れられるものではございません」
またこれも予告編で流れていましたが、
切腹した父を台車を使って文四郎が運ぶんですが、
家の近くに急な坂があるので、一人では台車を動かせない。
そんな時、ふくがやってきて、後ろから台車を押すんです。
このシーンの見事な事、涙がボロボロと流れてきました。
子供(といっても15歳)の文四郎を石田卓也。
成人した文四郎を市川染五郎。
子供のふくを佐津川愛美。
成人したふくを木村佳乃。
子供役を演じた二人には、拍手を送りたい、素晴らしい!
染五郎も木村佳乃も良かったですが、それ以上だった。
子供の時の花火の日、文四郎とふくが花火を見つめる
ふくは文四郎の袖を掴みます。手を握れない代わりに。
何とも微笑ましい、子供の愛情表現でしょうか!
出演時間は少ないが、緒方拳さんもさすがです。
「野にして粗だがけっして卑ではない」
誇り高い武士を堂々と演じていました。
予告編で流れていた、一青窈の「かざぐるま」。
イメージソングだったんですね。
最後に流れるものと期待していたのに、残念。
配役には少し問題ありかなと思いました。
ふかわりょうに今田幸司の二人。
悪くはないだけど、この役柄はちゃうんちゃうの?
あと、多分監督は笑いを取りたいと思ってるシーンが
何箇所あるのですが、これが?と思うので、無かった方が
いいんじゃないかなと。
日本の風景に感動するもよし、悲恋に涙するもよし、
見て損はないと思います。
構想15年の、黒土監督の大きな思いが詰まった映画です。
ぜひ、劇場でご覧下さい!
映画化されるようになりましたが、ついに藤沢
文学の最高作の「蝉しぐれ」(監督 黒土三男)が
映画化となりました。
江戸時代、舞台は海坂(うなさか)藩。
下級武士の子、牧文四郎は、
成人前に尊敬する父が藩の
世継ぎ騒動に巻き込まれ、
切腹されられてしまう。
反逆の子として、後ろ指さされるも、
懸命に母を守り、生きてきた。
そんな文四郎にかって父に切腹を命じ、
今や藩の実権を握る里村左内から
お家の名誉回復を言い渡される。
しかし裏には、文四郎の初恋の相手でもあり、
今や殿の側室となったふくに絡む世継ぎ問題が、
関係していた。
この映画、日本の四季折々の風景の描き方が
すばらしく、改めてこんな綺麗な国に、
自分は住んでいるんだなあと
恍惚と誇りと感じました。
ストーリーは簡単に言ってしまえば、
純愛にあたります。文四郎とふく。
お互い初恋同士、しかし、身分の違い、その他、
もろもろの事情で実らなかった恋。
殿の側室となったふくが文四郎にこう言います。
「文四郎さんのお子が私の子で、私の子どもが
文四郎さんのお子であるような道はなかったのでしょうか」
もうこのあたりは涙がボロボロとなり
続く文四郎のセリフがまた涙を。
「それが、私の生涯の悔いでございます。」
そして、指を見せて(子供の時に蛇にかまれた
指を文四郎は口で毒を吸ってくれた)
「この指をおぼえていますか」
「忘れようと、忘れ果てようとしても、
忘れられるものではございません」
またこれも予告編で流れていましたが、
切腹した父を台車を使って文四郎が運ぶんですが、
家の近くに急な坂があるので、一人では台車を動かせない。
そんな時、ふくがやってきて、後ろから台車を押すんです。
このシーンの見事な事、涙がボロボロと流れてきました。
子供(といっても15歳)の文四郎を石田卓也。
成人した文四郎を市川染五郎。
子供のふくを佐津川愛美。
成人したふくを木村佳乃。
子供役を演じた二人には、拍手を送りたい、素晴らしい!
染五郎も木村佳乃も良かったですが、それ以上だった。
子供の時の花火の日、文四郎とふくが花火を見つめる
ふくは文四郎の袖を掴みます。手を握れない代わりに。
何とも微笑ましい、子供の愛情表現でしょうか!
出演時間は少ないが、緒方拳さんもさすがです。
「野にして粗だがけっして卑ではない」
誇り高い武士を堂々と演じていました。
予告編で流れていた、一青窈の「かざぐるま」。
イメージソングだったんですね。
最後に流れるものと期待していたのに、残念。
配役には少し問題ありかなと思いました。
ふかわりょうに今田幸司の二人。
悪くはないだけど、この役柄はちゃうんちゃうの?
あと、多分監督は笑いを取りたいと思ってるシーンが
何箇所あるのですが、これが?と思うので、無かった方が
いいんじゃないかなと。
日本の風景に感動するもよし、悲恋に涙するもよし、
見て損はないと思います。
構想15年の、黒土監督の大きな思いが詰まった映画です。
ぜひ、劇場でご覧下さい!
by fyamasan
| 2005-10-18 02:08
| 時代劇