蝉しぐれ~時代劇の純愛

「たそがれ清兵衛」のヒットから、藤沢周平作品が
映画化されるようになりましたが、ついに藤沢
文学の最高作の「蝉しぐれ」(監督 黒土三男)が
映画化となりました。

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江戸時代、舞台は海坂(うなさか)藩。
下級武士の子、牧文四郎は、
成人前に尊敬する父が藩の
世継ぎ騒動に巻き込まれ、
切腹されられてしまう。

反逆の子として、後ろ指さされるも、
懸命に母を守り、生きてきた。

そんな文四郎にかって父に切腹を命じ、
今や藩の実権を握る里村左内から
お家の名誉回復を言い渡される。
しかし裏には、文四郎の初恋の相手でもあり、
今や殿の側室となったふくに絡む世継ぎ問題が、
関係していた。

この映画、日本の四季折々の風景の描き方が
すばらしく、改めてこんな綺麗な国に、
自分は住んでいるんだなあと
恍惚と誇りと感じました。

ストーリーは簡単に言ってしまえば、
純愛にあたります。文四郎とふく。
お互い初恋同士、しかし、身分の違い、その他、
もろもろの事情で実らなかった恋。

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殿の側室となったふくが文四郎にこう言います。

「文四郎さんのお子が私の子で、私の子どもが
文四郎さんのお子であるような道はなかったのでしょうか」

もうこのあたりは涙がボロボロとなり
続く文四郎のセリフがまた涙を。

「それが、私の生涯の悔いでございます。」

そして、指を見せて(子供の時に蛇にかまれた
指を文四郎は口で毒を吸ってくれた)

「この指をおぼえていますか」

「忘れようと、忘れ果てようとしても、
忘れられるものではございません」

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またこれも予告編で流れていましたが、
切腹した父を台車を使って文四郎が運ぶんですが、
家の近くに急な坂があるので、一人では台車を動かせない。
そんな時、ふくがやってきて、後ろから台車を押すんです。
このシーンの見事な事、涙がボロボロと流れてきました。

子供(といっても15歳)の文四郎を石田卓也。
成人した文四郎を市川染五郎。
子供のふくを佐津川愛美。
成人したふくを木村佳乃。

子供役を演じた二人には、拍手を送りたい、素晴らしい!
染五郎も木村佳乃も良かったですが、それ以上だった。

子供の時の花火の日、文四郎とふくが花火を見つめる
ふくは文四郎の袖を掴みます。手を握れない代わりに。
何とも微笑ましい、子供の愛情表現でしょうか!

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出演時間は少ないが、緒方拳さんもさすがです。
「野にして粗だがけっして卑ではない」
誇り高い武士を堂々と演じていました。

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予告編で流れていた、一青窈の「かざぐるま」。
イメージソングだったんですね。
最後に流れるものと期待していたのに、残念。

配役には少し問題ありかなと思いました。
ふかわりょうに今田幸司の二人。
悪くはないだけど、この役柄はちゃうんちゃうの?

あと、多分監督は笑いを取りたいと思ってるシーンが
何箇所あるのですが、これが?と思うので、無かった方が
いいんじゃないかなと。

日本の風景に感動するもよし、悲恋に涙するもよし、
見て損はないと思います。
構想15年の、黒土監督の大きな思いが詰まった映画です。
ぜひ、劇場でご覧下さい!
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by fyamasan | 2005-10-18 02:08 | 時代劇 | Comments(1)
Commented by ぐ~ at 2005-10-19 21:31 x
TBありがとうございます。
あの、着物の袖をそっとつかむシーン、良かったですねぇ~~。


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