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ALWAYS 三丁目の夕日~良い時代でありたい

平成17年は昭和を回顧する映画の流行なんでしょうかね?
「この胸いっぱいの愛を」
は昭和60年。
「カーテンコール」
は、昭和30~40年代。
そして、この「ALWAYS ~三丁目の夕日」も
昭和33年の東京の下町を舞台にしています。

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東京は夕日町3丁目に住む人たち。
鈴木オートという小さな自動車修理工場に、
青森から集団就職で、六子(掘北真希)が
やってきた。
予想とは違い、小さな工場にため息がつくが、
主の則文(堤真一)は短気だが、面倒見の良い人。
妻(薬師丸ひろ子)も優しく、一人息子の一平も
やんちゃだが可愛く、六子はすぐに馴染んでいく。

そして、この向かいの駄菓子屋に住むのが、
売れない小説家の茶川(吉岡秀隆)。
芥川賞の最終選考まで行った事が唯一の自慢だが、
少年雑誌に冒険小説を書いて、何とか暮らしを立てている。
そんな茶川が、一人の少年、淳之介を預かるはめになった。
片思いの居酒屋で働くヒロミに頼まれたら断れない。

時代は昭和33年。
この町から建設中の東京タワーが見える。
「戦争は終わったんだ。これからでかいビルディングも
出来る、そんな時代が来たんだ」、則文の言葉通りに
東京タワーは、人々の復興へのシンボルだった。

則文の家にTVが来て、町中の人が集まって、
力道山が活躍するプロレスに大人も子供も
熱中する。
思えば、力道山が外国人を空手チョップで打ち倒す
シーンは、日本人の戦争への溜飲をさげた瞬間でもあった。
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氷を入れた冷蔵庫から、電気の冷蔵庫へ。洗濯機も登場し、
TV、冷蔵庫、洗濯機と三種の神器と言われた物の登場も
この頃だった。

映画はこのあたりのエピソードに、茶川とヒロミの恋の行方。
茶川と淳之介の不思議な関係、鈴木家の色々な騒動を
ユーモアに暖かく描いていく。

この映画、ストーリーも良いが、昭和30年代を見事に
再現しているCGにも拍手を送りたい。
大過去や未来は誰も実際に知っている人はいないので、
何とかなるものだが、この時代だと生きている人がいるので、
「そんな事ないよとか、ここは違うよ」と突込みが入るので、
かなり再現するのは難しかったと思います。

僕は昭和40年代生まれですが、近所には駄菓子屋もあり、
近くの公園では夕方遅くまで野球をしていたし、少し離れた
町まで行くことは、大冒険だった。
そんな経験からか、この映画も懐かしく感じられた。
昭和30年生まれの人には、たまらない感動があるでしょうね!

また、この時代を象徴している事で、茶川が淳之介に
いつも言うセリフがある。
「俺とお前は縁もゆかりもない、赤の他人なんだからな」。
この時代には、ただ近所に住んでいるそれだけで、近所の
子供の世話や家の喧嘩の後始末など、近所全体で助け合って
いた。いわば、人情があった時代だった。

僕はこの映画、とても好きだし、大変感動した。
万年筆や指輪のシーンなど、泣けてしかたなかった。
指輪のシーンは、TVドラマ「101回目のプロポーズ」の
あの鉄ネジ?の指輪のシーン、以上の感動がありました。

でも、この映画を見て、僕は物凄く悲しくなってしまった。
それは、僕らが40年前を振り返れば、こんなにも人情が
あふれ、古きよき時代だったのに、もし、今から40年後の
人たちが現在を振り返る映画を作るとき、この映画のような
感動を与える事が出来るのだろうか?
それを考えると、無性に寂しくなってしまうのだ。

物の豊かさではなく、心の豊かさを求めるはずだったのに、
物の豊かさが先にきてしまった。
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「昔はよかったね~」とただの懐古趣味に終わるのではなく、
40年後の人たちが、現在を良い時代だったんだなあと
思わせる時代になるように、今、生きている人たちが頑張らねば、
そう思わせる映画であるように思いました。


50年後の夕日も美しい事を願って!
by fyamasan | 2005-11-22 16:49 | 邦画

メジャー監督、デビューを目指して!


by fyamasan
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