男たちの大和~こんな愛国心は要らない
試写で見たのが12月8日。
真珠湾攻撃の日でもあり(ジョン・レノンが暗殺された日でもあります)、
その日に、この映画を見るのは、日本人として何かの縁でしょうか?
映画「男たちの大和」

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敗戦から60年たった、2005年四月。
鹿児島県枕崎の漁港。
一人の女性(鈴木京香)が、かって
戦艦大和が沈んだとされる
東シナ海に、どうしても行きたいと、
漁師に頼むが、誰もとりあってくれない。
そんな中、かって大和に乗り、
生き残った神尾(仲代達矢)が、
彼女を乗せてその地に向かった。
彼女の義父は、神尾のかっての
上官の内田二兵曹だった。

そして、神尾は60年前の事を
昨日のように思い出していく。





15歳の特別年少兵として、大和に乗り込んだ時を。
厚い友情で結ばれた仲間や心優しい上官たちの顔を。
優しかった母、好きだった幼じみの妙子を。
日本が敗戦に向かって進んでいたあの日を。

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この映画の見所の一つには、実際に再現された戦艦大和が
大スクリーンから、飛び出さんばかりの迫力で、描かれている点。
(約6億円かけて作られたという、全長190mにも及ぶ、どでかいセット)
そして、この大和を舞台に、これもかなりリアルな戦闘シーンが、
まるでそこにいるかのような臨場感たっぷりに描かれている。
あの「プライベート・ライアン」以上の迫力なのだ。

そして、大和に乗り込む年少兵や海軍の軍人たちとその家族の
人間ドラマが、映画を盛り上げる。


試写会場ではすすり泣く声が聞こえ、かなりの人が泣いていたのでは。
戦争によって引き裂かれる家族の悲哀には、涙を誘われたが、
僕はこの映画では泣きたくなかった。

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それは、国家の為に命を捧げる事を美化しすぎていないか?
国の為に、愛する者の為に命を投げ出す人達を、美しく
描きすぎていないだろうか?

ラストの長淵剛の曲のシーンで、日本を飛び立つ
特攻隊の姿が、その当時の映像で流れてきます。
美しすぎるのです。滅びの美学のようなものが感じられました。

スピルバーグが「太陽の帝国」でも同じように、夕陽に向かって
飛び立つ特攻隊の姿を描いていますが、美しすぎる映像に、
「戦争はこんな美しいものじゃない、もっとドロドロしたもの。
こんな描き方はすべきじゃない」と。

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また、この映画には、戦艦大和が出来るまでに、どのような
国家的圧力が国民に強いられて来たかは、全く描かれておらず、
大和に乗ることが男として、誇りであり、それに殉ずる事が正しいと
いう解釈が、僕には感じられた。

実際に、僕の祖父は太平洋戦争で戦死しており、戦時中の
出来事は祖母からかなり聞きました。
映画でも当時のニュース映像を流したりして、当時がどんな状況
だったのか、説明してくれます。
冷静になれば、この戦争自体無謀で勝ち目など無いことは、知識人には
分かっていたはず、でも、誰もそれを止められなかった。
祖母が、「戦争反対なんて言うものなら、非国民として糾弾され、
憲兵が目を光らせて、ものすごい怖い時代だった。」と話して
くれたのを、思い出しました。

言葉で言うのは簡単だと非難されるでしょうが、
大勢に流されること無く、戦争反対を貫いて、獄死や
糾弾された人たちこそが、真の愛国心を持つ人として、
描かれるべきでは?

今年は戦後60年、節目の年となりました。
憲法改正や自衛隊問題、北朝鮮の拉致問題と外交と
日本の今後を左右する問題が、目の前にあります。

長島一茂演じる白淵大尉が、映画でこう語ります。

「負けて目覚めることがある。
それ以外に日本はどうして救われる。
今、目覚めずにしていつ目覚めるのか?
俺達はその先鋒になるのだ。
日本の新生に先駆けて散る、それが本望じゃないか」

僕はこんな愛国心は欲しくない。
アメリカと戦争したのを知らない子もいると云う、平成生まれの
子供達がこの映画をどう見るかが、僕はとても気になる。

嘘のように、物分りの良い上官がいる海軍。
国の為、愛する家族に為に、命をかけてやる、
そんな気持ちを持たないだろうか?

戦争を知る世代、戦後世代、平成世代と
受け止め方は世代、人によってかなり違うと思いますが、
あの戦争を、これからの日本を見つめ直す為にも、この映画を
見て、色々感じて貰いたい、そんな気持ちです。

東京都知事の石原慎太郎が、雑誌のインタビューで、
「今の日本人はブヨブヨに膨れ上がり、中身はすっからかん。」
と、そして、その原因はと聞かれ、「60年戦争が無かったから」と
答えています。
次期首相にと一番期待されていた人の発言です。

新生日本の先駆けとして命を亡くした人は、
この言葉で救われるのだろうか?
日本は、失敗から同じ過ちを繰り返さないのだろうか?
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by fyamasan | 2005-12-12 03:20 | 邦画

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