アドルフの画集~そこにある恐怖
戦後60年という事で、昨年見たドイツ映画の
「ヒトラー最後の12日間」は、怪物ヒトラーの
意外な一面が見れましたが、この映画は
まだ、怪物とはなっていない、若き日の
アドルフ・ヒトラーの姿を描いています。
「アドルフの画集」

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1918年のドイツはミュンヘン。
第1時世界大戦が終わり、兵士も
故郷に帰ってきた。
画家志望のマックス(ジョン・キューザック)
は戦争で右腕を失い、画商として
生計を立てていた。

こちらも画家志望のアドルフ・ヒトラー
(ノア・テイラー)も戦争から帰ってきたもの、
家は跡形も無く、家族や婚約者も亡くし、
軍の支給物資を得て、細々と暮らしていた。

ひょんな事から二人は知り合い、マックスはヒトラーの
画才に気づき、彼にどんどん作品を書くように促すが、
現状生活への欲求不満や思うように絵を描けない事など
重なり、ある政治結社に急速にのめり込んでいく。
自身でも知らなかった演説の才能がある事に気づき、
新しい芸術+政治 =権力の図式が彼の頭に出来上がっていく。

この映画は、「もし~だったら」の架空の話です。
ヒトラーが画家志望の青年だったことは、かなり知られて
いますが、「もし、画家志望のヒトラーがこんな画商とあって
いたら」という所から、企画は始まったみたいで、マックス役の
J・キューザックはノーギャラでこの役柄にチャレンジしたとの事。

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「ヒトラー最後の12日間」では、貫禄があり、でっぷりと
太ったヒトラーでしたが、こちらのヒトラーは戦争帰りの
兵士ということもあり、明日に希望が持てない
やせ細った貧しい青年であります。
この映画を見て覚える恐怖は、誰でもヒトラーに
なりえたという事実です。
たまたま演説が上手く、現状への不満から政治運動に走りましたが、
ヒトラーの画才が認められていたら、違う人間がヒトラー
になっていたのかも。
時代が違えば、誰にでもその可能性はあるわけで、ヒトラーだから、
昔の話だからと、片付けられない問題だと思いました。

貧しいドイツ人のヒトラーに対して、マックスは裕福なユダヤ人。
ここにも、昨年の「ヴェニスの商人」のように、日本人ではなかなか
考えられないユダヤ人問題が根強くあります。
ユダヤ人に憧れと嫉妬が入り混じっていたように思えるヒトラーの姿。
後の大虐殺を行った彼を考えると興味深いものがあります。

ヒトラーの演説で(多くはユダヤ人批判ですが)、年老いた
ドイツ人も拳を上げて演説に酔う姿は、敗戦後の人間心理を
ついた政治運動のやり方の計算高い恐ろしさが伝わってきます。

ただ残念に思うのは、ヨーロッパが舞台の映画にも関わらず、
出ている俳優がアメリカ人が多いという事もあるのか、会話が
英語なのがかなり気になりました。
特に、ヒトラーの演説で、フランス語を上手くしゃべれず、母国語
ならきちんと喋れるというシーンがあるのですが、母国語といっても
英語を喋っているわけで、ちょっと違うのではないの?と思うわけです。

出来るなら、この映画のその後を見たいと思ったのは
僕だけではないはず。
ヒトラーがどのように変わっていったのか、そのあたりを
次は描いてもらいたいですね。

タイトルは忘れましたが、ショートフィルムで第1時世界大戦で、
イギリス兵士がヒトラーを助ける話があります。
助けたイギリス兵はその後、ヒトラーから表彰されます。
イギリスは第2次大戦で、ドイツ軍から多くの空爆を受ける
わけですので、助けたイギリス兵は、「あの時、ヒトラーを殺して
おけば」と後悔したと伝えられています。

興味がある方はぜひ、探してください。
15分ほどですが、見ごたえ十分です。
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by fyamasan | 2006-01-10 03:17 | 映画 | Comments(2)
Commented by iiyan at 2006-01-10 22:12 x
いつもレンタルビデオで借りるか迷っていた作品なので紹介されていてうれしかったです。ヒトラーについて私もかなり興味があり、ヒトラー最後の12日間はDVDがもうすぐ出るので楽しみにしております。この独裁者の生きざまに興味がもてます。この作品は見ようと思いました。
Commented by fyamasan at 2006-01-11 00:32
>iiyanさんへ

ぜひ、ビデオで見てください。「ヒトラー最後の12日間」とまた見比べて
欲しいです。
一人の人間の変わり様が分かるので、興味が凄くわくと思います。


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