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綴り字のシーズン~言葉の神秘性

この映画もお正月映画として上映してました。
予告編を見たときは、良さそうな映画だと思って
たんですが、少々消化不良な感じがしました。
映画「綴り字のシーズン」
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アメリカはオークランド州に住むナウマン家。
この一家、普通に見てるとかなり理想的な家族。
父、ソール(リチャード・ギア)は、大学教授で宗教学者。
息子のアーロン(マックス・ミンゲラ)に音楽も教えており、
よく料理もするし、それ故、良き夫、父を自認している
自信家でもある。
母、ミリアム(ジュリエット・ビノシュ)は、科学者で、
アーロンの下には、妹、イライザ(フローラ・クロス)がいる。

物語は、イライザが学校でスペリング・コンテストに優勝したことから、
この家族、少しずつ揺らぎだしてくる。
ソールは、アーロンの才能に期待していたが、イライザに言語の能力
(天才というべきほどの)があると分かると、アーロンそっちのけで、
イライザにべったりとなる。
次は州大会、次は全国大会と、かなり気合を入れて取り組む。
そうなると面白くないのは、アーロンで、父への反抗心も芽生えてくる。
そして、何も不満が無いと思われた、ミリアムにも大きな変化が。
(これが一番びっくりしました)

あんなに仲良かった、幸せな家族があっという間に、
バラバラになってしまう。
幸せに見える家族、でもそれは外見だけなのかもしれない。
人間だもの、何かしらの悩みや不満はあるのは当たり前。
蓋を開けると、問題はいっぱいあるでしょうね。
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この映画を見て色々と不思議な感想を持ちました。
アーロンやミリアムがソールに対して、「自己中心で家族をしきり、
人の気持ちを分かろうとしない。貴方の言葉には心が無い」と
いうような内容を話します。
?でも、確かにワンマンだけど、そこまで言われなきゃ駄目な
父で夫なのかな?
一番よく分からなかったのが、ミリアムの秘密。
これは本当にびっくりします。
小さい時に、両親を失ったトラウマがあるのは分かりますが、
行動にどうも共感が持てない。何で、そうなるのだろう?と
僕が男性だからなのか。女性なら共感出来るのでしょうかね。
このあたりがかなり消化不良でした。


面白かったのが、アーロンが父への反抗からある宗教に
目覚めるのですが、実はこれ、よくある手口に
引っかかってしまっただけ。
可愛い女の子に話しかけられて、電話番号も教えてもらう。
普通はそんなオイシイ話は有り得ない訳で、考えるとすぐに
分かるはず。
でも、彼は彼女に電話して、家を訪ねると、そこはある宗教の館。
もともと宗教に興味があったから、彼女の話にも
すぐに入りこんじゃう。
そして、お決まりのキャンプに行く。

僕の大学もこういう宗教の団体がいて、実にこれとよく似た
事をしていました。
勧誘や入信は万国共通なんですね。
それにしても、人間の隙間に入ってくる宗教は怖いですね。
その後、ソールが息子の変化に気づいて、その館から息子を
連れ出して、事なきを得ます。
あんなにはまっていた宗教に、その後、アーロンはピタッと
興味を無くすから、「え~~?あの興味はなんやったん?」
と突っ込みたくなります。

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この映画の一番の収穫は、イライザを演じたフローラ・クロス。
スクリーンデビューとなる今作。
本当に可愛らしく、スペルを言う時に、目を閉じるのですが、
この姿は何とも微笑ましいです。
自分がスペリングコンテストで勝ち続けて行く事で、家族がおかしく
なってきているのを感じて、それにものすごく責任を感じてしまう。
少し大人じみた行動とこの年齢の女の子の行動と、
この二つを見事に演じてました。
今後、どんな女優さんになるのか、おおいに楽しみですね。

一度見ただけでは、正直、腑に落ちない映画でした。
「僕はこう思う、私はこう思う」と、映画を見た後、かなり議論が
出来そうな映画であることは、確かですね。
by fyamasan | 2006-01-14 04:56 | 映画

メジャー監督、デビューを目指して!


by fyamasan
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