単騎、千里を走る~父と息子、家族の絆

映画「単騎、千里を走る」を見て、
日本人と中国人の国境を越えた友情に感動しましたが、
帰ってからニュースで、映画「SAYURI」が中国で上映禁止に
なったことを知り、寂しい気持ちにならざるを得ませんでした。

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高田剛一(高倉健)は、疎遠に
なっている一人息子、健一
(中井貴一)が、ガンで余命
少ない事を知る。
健一は、中国の仮面劇の
TV取材をしていたが、
「単騎、千里を走る」の
映像だけは撮り逃していた。
見舞いに行っても会って
くれない、そんな息子の
心を知りたいと思った
剛一は、一人、息子の為に、
「単騎、千里を走る」の
撮影に、中国へ向かう。


さて、中国に着いてみたが、「単騎、千里を走る」で
主役、関羽を演じる役者が事件を起こして、只今服役中だという。
他の人でいいじゃないかと、通訳は言うが、健一が見たいのは、
彼が演じる関羽であるので、どうしてもと、刑務所のお偉いさん方を
説得して、何とか、撮影の許可を貰う。
しかし、またここで問題が。
実はこの役者には、生き別れた一人息子がいるのだが、
剛一の話を聞き、その息子に会いたくなり、泣き崩れてしまい、
劇をするどころではなくなった。
そんな彼を見て、剛一は息子を連れてこようと、息子がいる
僻地へと向かった。

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健さんはここでも健さんである。
「寡黙で頑固者。まっすぐだが、自分の気持ちを上手く伝えられない」
そんな「不器用な健さん」の為に、監督のチャン・イーモウが
脚本を書いている。
実は監督のイーモウが初めて見た外国映画が、高倉健主演作品。
それ以来、いつか健さんと仕事がしたいと考えていたという。
「HERO」、「LOVERS」でハリウッド進出も果たして、今や名匠となった
イーモウに、ようやくその夢が実現した。

物語は父が息子との絆を取り戻していく話ですが、言葉だけでは
分かり合えない、本来の人間の絆があるんですね。
日本語と中国語、言葉が違うぶんだけ、お互いの真心が伝わっていく。
中国人とは上手く交流出来た剛一ですが、
息子とは再び、絆を取り戻すことが出来たのでしょうか?

僕が一番ジーンときた場面があります。
劇役者の息子のいる僻地へたどり着いた剛一を、村の人は歓迎の
意味を込めて、村の人全員で剛一を囲んでテーブルを並べて
食事をする。村人には大事な客人であるが、家族の一員でもあるのだ。
この場面を見ると、「三国志」や「水滸伝」などで見られる人情や
義に厚い中国人の真心が伝わってくる。

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剛一と日本語の上手ではない通訳者との兼ね合いも面白いし、
中国の雄大な自然をスクリーンで見ると、圧巻の一言。
日本では到底撮れないこの映像、見ものですよ。

また、「あの子を探して」でもそうでしたが、イーモウ監督は素人を
撮るのが上手いなあと、あらためて思いました。
(通訳者をはじめ、殆どが素人だったといいます)
最近は演技が上手い子役も多いので、かえってこの映画の
素人の演技は、高倉健いわく、「演技を超えたものがあった」と
いえるほど、素晴らしいの一言!
素直に感動が出来ました。

僕の母ももう60歳を過ぎていますが、健さんファンなので、
オススメしますが、10代あたりの人には、健さんはどのように
映るのでしょうかね。
「初恋のきた道」や「あの子を探して」が好きな人には、
気に入ってもらえるかな。

冒頭にも書きましたが、映画、音楽、絵画など芸術と
呼ばれるものは、言葉が通じなくても、その気持ちが伝わり、
それが国家間を超えて人間を結びつけるものなのに、
「SAYURI」を上映禁止にする中国当局のやり方は、
如何なものかと思います。
中国人が「ゲイシャ」を演じているのが、不快だとありましたが、
それは本来の「芸者」の役割を知らない事から、出てきてるので、
映画が意図するものとは、違った方向へ行っているのが、残念です。


最後に、シネマスポットからの抜粋ですが、
「単騎、千里を走る」について、

「千里走単騎」は、日本でも馴染み深い「三国志」に由来する、
中国の京劇の演目である。後の蜀帝・劉備の義弟・関羽が、
劉備の妻子と共に宿敵・曹操の手に落ちるが、劉備への義理と
誠を貫き通し、最後はただ独りで劉備の妻子を伴い曹操の下を
脱出し、劉備のもとへ帰還するという三国志の中でも最も感動的な
エピソードの一つである。今もなお関羽は、中国民衆の中でも
人気の高い人物で、商いの神様としてあがめられている地方もある


関西では南京街に「関羽像」がありますね。
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by fyamasan | 2006-01-24 04:41 | 映画 | Comments(2)
Commented by kimion20002000 at 2006-06-26 00:12 x
TBありがとう。癌の息子が途中で死んでしまうことが僕は、予想できなかったので、どうやって、息子と再会するんだろう、と思いながら見ていたんですね。で、なるほど、と。ああ、こういう脚本の展開もあるんだな、って。
Commented by fyamasan at 2006-06-26 17:06
>kimion20002000さんへ

コメント有難うございます。
そうですね、再会の仕方にびっくりも、納得ですね。
違った視点から見るとまた違った感想が出てきますね。


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