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メジャー監督、デビューを目指して!

あおげば尊し~「死」と最後の授業

今年も3月になれば全国の小、中学校、高校、大学、
専門学校と、多くの学校で卒業式が行われます。
その式では最近は、「あおげば尊し」を歌っているのかな?
僕の世代では当然のように歌っていたんだけどなあ。
映画「あおげば尊し」 テリー伊藤(主演)・市川準(監督)

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中学教師の光一(テリー伊藤)は、ガンで余命3ヶ月の同じ
中学教師だった父(加藤武)を、病院ではなく、自宅で最後の
日々を過ごして貰おうと、母(浅生美代子)、妻(薬師丸ひろ子)
の3人で介護にあたることにした。

昔気質の厳しい先生だった父を見舞いに来る生徒も
いなかった。

そんな時、光一のクラスでインターネットのサイトで死体を
見るのが流行っていた。
「そんな死体など見るな!」と生徒を叱り付けるが、
光一は生徒の「なぜ、死体を見てはいけないのか?」
という質問には答えられずにいた。
特に一人の生徒は「死」にかなりこだわりがある。
ひとつの試みとして、課外授業として、生徒に自宅にいる父の姿を
見てもらおうと、生徒を招いたのだが、これが学校の内外に
波紋を広げた。

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光一を演じるのが、これが映画初主演となるテリー伊藤。
TVのブラウン管で見る、いつもの毒舌を吐くテリー伊藤ではなく、
死に際の父を見て、「死」というものは、どんなものなのか?
父に何をしてやれるのか?
生徒に何を伝えられるだろうか?
必死で考えて悩む、一人の教師の姿だった。
なかなかの熱演ですよ!

この映画はストーリー的にハラハラドキドキがあるわけでもなく、
淡々と静かに進んで行きますが、それゆえに、「死」というものを
見ている者も一緒に考えていけるのでは、と考えます。

僕自身、身内の死はあまり経験がありませんが、祖母がもう90歳と
いうことを考えると、もしもという場合もあります。
もし余命が残り数ヶ月と聞かされると、自分にはどんな行動が
取れるのだろうか?祖母は何を望むのだろうか?

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この映画を見て思い出したのが、
「モリー先生との火曜日」です。
映画化(ジャック・レモンの遺作)にもなっていますが、
日本では多分未公開でしたが、ビデオ&DVDに
なっていると思います。



スポーツライターとして成功した主人公は、かっての
大学の恩師が余命少ない事を聞き、毎週火曜日に、
恩師と1対1で、授業を受けるというもの。
教科書、テキストなどは無く、恩師との対話が、主人公にとって
最高の最後の教科書となるわけです。
テーマは「人生」、「愛」、「死」、「幸せ」、「沈黙」など様々なものが
あったように思えます。
僕は生意気にも原書を読み、大変感動した記憶があります。

「学校崩壊」のニュースや「ゆとり教育の失敗」など、今でも教育現場は
混乱&模索しながら進んでいるのでは。
この映画にも教師の役割が分からない教師や厳しさを求める教師など、
色々な顔ぶれの教師が出てくるので、教師自身も自分の職業に自信を
なくしている、そんな感じを受けます。

光一の父は、自分の教師像を光一に語っていました。
「俺が生徒に厳しくして、それを生徒が若いうちは分かってくれなくとも
いいんだ。怒って反発してくれてもいい。でも、大人になり、それが
分かるときが来ると思う、それでいいんだよ」

この思いはかっての教え子に伝わっているのでしょうか?
ラストに注目を!
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Commented by sabu at 2006-02-21 01:20 x
TBありがとうございました!
自分がかつて「生徒」だった頃は先生の胸の内など思いもよりませんでしたが、もしかすると先生たちも苦悩があったのかなあ、と、「先生」の年齢を超えつつある今、ふっと思ったりします。
Commented by fyamasan at 2006-02-21 03:19
>sabuさんへ

コメント有難うございます。
そうですよね、教師である前に、一人の人間ですから、あまり多くを求め
過ぎてもいけないですよね。
僕も30歳過ぎて色々考えが変わってきました。
Commented by iiyan at 2006-02-21 21:56 x
今の子供は厳しさに耐えないで逃げていきますよ。時代も変化しています。何故なんでしょう?
Commented by fyamasan at 2006-02-22 02:40
>iiyanさんへ

確かに厳しさに耐えないでいる子供が多いですよね。
時代の流れかも知れないですが、きちんと厳しさ辛さを乗り越える
事の重要性をもっと教えるべきでしょうね。
大人たちも厳しさから逃げているかもしれないですね。
by fyamasan | 2006-02-20 23:02 | 邦画 | Comments(4)