グッドナイト、グッドラック~真のジャーナリズムとは?
2006年 05月 23日
9・11以降、アメリカのイスラム教国への攻撃。
中近東でも終わり無き紛争。
日本では拉致被害などからの北朝鮮への
過激な対応を迫る声など、今も世界はこの映画の時の
ように、様々な問題を抱えている。
こんな時代だからこそ、ジャーナリズムの意義を問う
この映画が生まれたのかもしれない。
ジョージ・クルーニ監督&出演の
映画「グッドナイト、グッドラック」
1953年の3月。
アメリカは三大放送局の一つ、CBSが一つの番組を放送した。
当時、支持率50%を越えて、「赤狩り隊」の先頭で大きく力を
持っていた、ジョセフ・マッカーシー上院議員への非難である。
当時、泣く子も黙る、触れてはいけない存在だったマッカーシーに、
公共の電波を通じて、CBSは戦いを挑んだ。
番組はCBSの看板司会者、エド・マロー。
映画はこのエド・マローとその番組スタッフ達が信念を持って、
アメリカの正義を守る6ヶ月に及ぶ話であります。
1950年代、アメリカを揺り動かした「赤狩り」。
歴史の教科書や、これまで何度か映画でも取り上げられて
いるので、皆さん内容はご存知だと思いますので、ここでは詳しく
触れません。
映画は約90分と本当にコンパクトに収まっています。
いらない部分はそぎ落として、重要な所だけを集めた、
そんな印象を受けます。
全編モノクロで、これは実際のマッカーシー上院議員の映像を
使うためだそうですが、このモノクロが50年代を現していて、
物凄くいいです。
この時代のニュースキャスターは、番組中でもタバコを吸うし、
タバコのCMまであります。今となっては考えられないですね。
随所、随所に出てくる、ダイアン・リーブスが歌うジャズ、
これが映画になんともいい雰囲気を与えています。
この映画の見所は、エド・マーローを演じた
デヴィッド・ストラザーンの迫真の演技に尽きますね。
なぜ、オスカーを取れなかったのか?と不思議に思えます。
僕的には、私立探偵、フィリップ・マーローのような
ハードボイルドな渋い男を感じさせました。
しかも知性を持ち合わせて、正義感もある。
今、流行のチョイ悪親父など比べようが無いくらい、いい男。
パンフレットなど読むと、CBSから制作費など降りなかったので、
プロデューサーのフレッド・フレンドリー(ジョージ・クルーニ)とお金を
出し合って制作費にあてたという。
本当にジャーナリズムの心意気をもった人だったと思いますね。
(こちらがエリア・カザン監督です)
僕はこの映画で取り上げられている「赤狩り」を聞くと、
思い出す映像があります。
もう何年も前になりますが、アカデミー賞の授賞式で、エリア・カザンが
名誉賞?の受け取りに壇上に現れた時、会場から拍手とブーイングの
両方が起こりました。
このエリア・カザン、有名な監督ですが、「赤狩り」の時代、自分にも火の粉が
降ってきて、仲間の名前を言えば許してやるみたいな感じで、仲間を売って
しまったんですね。それでハリウッドから追放になった映画関係者も多く、
未だに、仲間を売った奴として歓迎されないですね。
ジャーナリズムを貫いたエド・マーローですが、この番組の後、
CBS会長と揉めて会社を辞め、その後は放送業界には携わる
ことなく、57歳の生涯を終えました。
今のこの世界を見たら、エド・マーローはどんな番組を作るの
でしょうか?
マーローが、TVのあり方を問うたスピーチが重くのしかかる。
中近東でも終わり無き紛争。
日本では拉致被害などからの北朝鮮への
過激な対応を迫る声など、今も世界はこの映画の時の
ように、様々な問題を抱えている。
こんな時代だからこそ、ジャーナリズムの意義を問う
この映画が生まれたのかもしれない。
ジョージ・クルーニ監督&出演の
映画「グッドナイト、グッドラック」
1953年の3月。
アメリカは三大放送局の一つ、CBSが一つの番組を放送した。
当時、支持率50%を越えて、「赤狩り隊」の先頭で大きく力を
持っていた、ジョセフ・マッカーシー上院議員への非難である。
当時、泣く子も黙る、触れてはいけない存在だったマッカーシーに、
公共の電波を通じて、CBSは戦いを挑んだ。
番組はCBSの看板司会者、エド・マロー。
映画はこのエド・マローとその番組スタッフ達が信念を持って、
アメリカの正義を守る6ヶ月に及ぶ話であります。
1950年代、アメリカを揺り動かした「赤狩り」。
歴史の教科書や、これまで何度か映画でも取り上げられて
いるので、皆さん内容はご存知だと思いますので、ここでは詳しく
触れません。
映画は約90分と本当にコンパクトに収まっています。
いらない部分はそぎ落として、重要な所だけを集めた、
そんな印象を受けます。
全編モノクロで、これは実際のマッカーシー上院議員の映像を
使うためだそうですが、このモノクロが50年代を現していて、
物凄くいいです。
この時代のニュースキャスターは、番組中でもタバコを吸うし、
タバコのCMまであります。今となっては考えられないですね。
随所、随所に出てくる、ダイアン・リーブスが歌うジャズ、
これが映画になんともいい雰囲気を与えています。
この映画の見所は、エド・マーローを演じた
デヴィッド・ストラザーンの迫真の演技に尽きますね。
なぜ、オスカーを取れなかったのか?と不思議に思えます。
僕的には、私立探偵、フィリップ・マーローのような
ハードボイルドな渋い男を感じさせました。
しかも知性を持ち合わせて、正義感もある。
今、流行のチョイ悪親父など比べようが無いくらい、いい男。
パンフレットなど読むと、CBSから制作費など降りなかったので、
プロデューサーのフレッド・フレンドリー(ジョージ・クルーニ)とお金を
出し合って制作費にあてたという。
本当にジャーナリズムの心意気をもった人だったと思いますね。
(こちらがエリア・カザン監督です)
僕はこの映画で取り上げられている「赤狩り」を聞くと、
思い出す映像があります。
もう何年も前になりますが、アカデミー賞の授賞式で、エリア・カザンが
名誉賞?の受け取りに壇上に現れた時、会場から拍手とブーイングの
両方が起こりました。
このエリア・カザン、有名な監督ですが、「赤狩り」の時代、自分にも火の粉が
降ってきて、仲間の名前を言えば許してやるみたいな感じで、仲間を売って
しまったんですね。それでハリウッドから追放になった映画関係者も多く、
未だに、仲間を売った奴として歓迎されないですね。
ジャーナリズムを貫いたエド・マーローですが、この番組の後、
CBS会長と揉めて会社を辞め、その後は放送業界には携わる
ことなく、57歳の生涯を終えました。
今のこの世界を見たら、エド・マーローはどんな番組を作るの
でしょうか?
マーローが、TVのあり方を問うたスピーチが重くのしかかる。
by fyamasan
| 2006-05-23 03:40
| 映画