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メジャー監督、デビューを目指して!

紙屋悦子の青春~静かなる鎮魂歌

今年の四月に、黒木和雄監督が
亡くなられました。
享年75歳。
戦争を憎むが、大手を振って声高ではないが、
反戦への思いを静かに、だが強く描いた映画監督。
「TOMORROW/明日」、「美しい夏キリシマ」、
「父と暮せば」の戦争レクイエム三部作を発表後、
この映画が最後の作品となったことは、
とても悔しい思いがします。
映画「紙屋悦子の青春」

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昭和20年の春は鹿児島。
小さな田舎町にも空襲があり、戦争がすぐそこまで
迫っている事を感じさせていた。
両親を空襲(たまたま東京へ行き、そこで
空襲にあった)で亡くし、兄夫婦(小林薫、
本上まなみ)と一緒に暮らす悦子(原田知世)に、
ある縁談が持ち込まれる。
永与少尉(永瀬正敏)との縁談だが、
彼を薦めたのは、悦子が密かに
恋焦がれる明石少尉(松岡俊介)だった。
永与は航空の整備士で、松岡は航空士官だった。

複雑な思いで見合いを承諾した悦子だが、
見合い当日兄夫婦は用事で留守にしており、
悦子が永与と付き添いの松岡を出迎えた。
食料事情の厳しい中、悦子は愛情を込めて、
おはぎをつくる。
そして誠実な永与の人柄に触れて、結婚を
承諾するのだった。
桜が満開のある日、松岡が紙屋家を訪ねてくる。
いよいよ明日、特攻部隊として鹿児島を立つと。

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この映画、バックに流れる音楽と呼べる音はない。
静かな風の音やどこからら聞こえる波の音など、
日常の暮らしにある音が、
バック音楽として使われています。
その日常の音が、静かな田舎町に忍び寄る戦争を、
より一層見ている者に、伝わらせてくれる。

愛する人(松岡)と結ばれたい悦子。
だが、彼は特攻部隊として戦争に命を捧げる。
だからこそ、松岡は愛する人(悦子)を守る為、
こいつなら大丈夫という永与を悦子と引き合わした。
そして、それを素直に受け入れる悦子。
そんな二人の思いを知ってか、永与は松岡の
分まで悦子を愛することを誓う。

戦時中、日本のどこかの田舎町でもあったで
あろう、同じような切ない恋愛。
今と違って自由恋愛などご法度だった時代の
悲しくも美しい、この純愛に涙が止まらなかった。

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戦争の結末を知る僕らには、あともう少しで
戦争が終わるのに、明日が知れない
主人公たちには、今日しかない。
見ていて本当に胸が痛くて痛くて仕方なかった。

戦闘シーンもなく、血が吹き飛ぶこともない。
しかし、戦争の悲惨さが、ズシリと胸に突き刺さる。

映画館は年配の方が多かったですが、
ぜひとも10代、20代の人に見てもらいです。

元々は戯曲の映画化です。
エンドクレジットに流れる唯一の音楽にも
注目してくださいね。
こちらが戦争レクイエム三部作です。

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紙屋悦子の青春
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by fyamasan | 2006-09-19 02:17 | 邦画 | Comments(0)