父親たちの星条旗~虚像の英雄たち
今年もあとも少しで終わりですが、戦後から
61年となっています。
戦争体験者も80歳を越え、亡くなられる方も
数多くいると思われます。
太平洋戦争とは何だったのか?
日本人ですら、硫黄島での戦闘のことを
よく知っている人も少なくなっているのでは
ないでしょうか?
日米双方の視点から“硫黄島の戦い”を
描いた映画の第1弾、
「父親たちの星条旗」を見て来ました。
監督 クリント・イーストウッド

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時代は太平洋戦争の真っ只中。
アメリカ軍の攻勢に日本軍はジリジリと
後ずさりをし始めていた。
日本、アメリカ、両方にとって攻撃の
拠点となる島=硫黄島。
この硫黄島を巡り、日米で壮絶な戦闘が
繰り広げられた。
何としても死守したい日本の意地と、
この拠点を奪いたいアメリカ軍の
攻防は約35日あまり続いた。

この硫黄島の戦いは拠点を奪うかの
意味でも重要だったが、もうひとつ
アメリカにとって忘れられない戦いでもあった。
それはこの硫黄島の山頂に星条旗を掲
げる写真が、アメリカ人の戦意高揚に
役立っていたという史実があった。

映画は、この硫黄島の激戦を、アメリカ人
兵士から見た形で進んでいく。
日本人は穴や隠れた所から攻撃してくる
正体の見えない、顔のわからない敵として
描かれている(このあたりの描写は第2部
「硫黄島からの手紙」でじっくり描かれると
思います)

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「プライベートライアン」を思い出させるような
リアルな戦闘シーンに、思わず目を
そむけたくなる。
圧倒的有利なはずのアメリカ軍がどんどん
日本軍にやられていく。
制作費が90億円相当というから、このような
戦闘シーンが大半だったのでは?と感じます。

では、このような戦闘シーンを撮る為に
イーストウッドは映画を作ったのでしょうか?
実は硫黄島の写真には、もうひとつ話が
隠されてます。
新聞に載った写真は実は旗を変えた後、
もう一度揚げたもので、最初に、本当の意味で
占領して揚げた旗ではないのです。
しかし、この写真が採用され、これが
戦意高揚に使われるとは。

硫黄島の英雄として、写真に載った3人が
硫黄島から本土に帰ってきます。
国債を買うように、国民にアピールしてくれと
政府のお偉方に頼まれた3人は、疑問を持ち、
嫌気がさしながらも茶番であることを承知で、
戦意高揚ツアーに出かけます。
このあたりの描写も、何という浅ましさという
のでしょうか、国債を買わす為には
ここまでしていくのか?と、見ていて気分は
悪いですが、興味深いです。
しかし、当時のアメリカもこんな状況だったのかと、
歴史の知られざる一面を知り、勉強になりました。
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さて、戦意高揚に使われ、硫黄島で戦って
死んでいった戦友たちに後ろめたさを感じつつ、
「硫黄島の英雄」として、祭り上げられた
彼らにはどんな戦後が待っていたのか?
このあたりの描写も現実を見せつけられて、
胸が痛いです。

昨日の天声人語で最近の言葉からで、
イーストウッドが紹介されていました。
「ずっと前から、そして今も、人々は政治家
の為に殺されている」
この言葉を伝えたくて、イーストウッドは
映画を作ったのではないかと、僕は考えました。

アメリカはこの時の過ちをまたイラク戦争で
繰り返していますし、日本も自衛隊派遣や
アメリカ支援で協力しています。

同じ過ちをどうして繰り返していくのだろうか?
おそらく人間には永遠に考えざるテーマだと思いますが、
そんなことを考えた映画でした。
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by fyamasan | 2006-11-16 02:43 | 映画 | Comments(2)
Commented by はらやん at 2007-01-18 23:48 x
やまさん、こんばんは。
コメント&TBありがとうございます。

戦争を継続するためには、多大なお金と人的エネルギーをつぎ込まなければなりません。
そういう意図がある人にとっては、何かわかりやすい”英雄”を作り出す必要があるのでしょう。
そういうことを冷静に観ている、イーストウッド監督はすばらしいと思いました。
Commented by fyamasan at 2007-01-19 01:32
>はらやんさんへ

お返事有難うございます。
本当にイーストウッドの視点には頭が下がります。
数年後には今のイラク戦争の映画化が出来ると思いますが、
どんな視点で描くのか、興味深々です。
また、宜しくお願いします。

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