人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ブラック・ブック~バーホーベン、ここにあり

賛否両論、評価の分かれる監督、
ポール・バーホーベン。
彼がハリウッドに絶縁宣言して作ったと
言われるこの映画。
予告編を見た時から、気になってました。
もう70歳という年齢にも関わらず、
制作費25億円という映画を作り出す、
巨匠の渾身の一作、
映画「ブラック・ブック」

ブラック・ブック~バーホーベン、ここにあり_c0033213_229415.jpg


1944年のナチス占領下のオランダ。
ユダヤ人である主人公ラヘル(カリス・ファン・
ハウテン)は女性歌手であり、隠れ家に
住むなどして、ナチスの迫害を逃れていた。
しかし、家族や他のユダヤ人と逃走中に
ナチスに見つかり、彼女だけが奇跡的に
生き残った。
レジスタンスの人たちに助けられ、彼女は
愛する家族をユダヤ民族を虐殺するナチス・
ドイツに復讐しようと、レジスタンスの仲間から
ある使命を受ける。
それは、スパイとしてナチスの内部にもぐり
こむことであり、その為にはナチスの将校たちと
関係を持つことも意味していた。
復讐心が彼女を駆り立てる、
名前を変え、髪形も金髪にし、彼女は
1人、ナチス内部へ潜入する。
そこで、彼女が見たものとは?

ブラック・ブック~バーホーベン、ここにあり_c0033213_2393582.jpg


2時間40分ほどの長い映画のはずが、
長さを感じさせない。
展開が早い(いや、早すぎるかな?)
戦闘・アクションシーンも多く、娯楽映画的な
要素もあるので、一気に見れたという感じがします。

しかし、戦争中という特殊な時代だからなんだろうか、
ここまで人間は自分の保身の為に、平気で人を裏切れる
のだろうか?と、人間の卑劣で醜い部分がかなり強烈に
描かれているので、正直、後味はそんなに良くない。

でも、エリス(ラヘルの改名)がナチスの大尉
のムンツェ(セバスチャン・コッホ)の優しさに触れ、
愛してはならないのに、愛せざるを得ないそんな
人間模様を描いてもいますので、人間と同様、
この映画も一筋縄ではいかないんですね。

「協力か?射殺か? ならどちらを選ぶ?」
「保身のためなら、人間なんだってするよ」

ブラック・ブック~バーホーベン、ここにあり_c0033213_2593659.jpg

人間なんて善と悪なんて単純に割り切れない。
環境が違えばどちらにも転ぶし、グレーな
存在である。
でも、そこをどう生きていくのか?
ここは考え所だと、監督の一つの
メッセージとして受け取りました。

ナチスの占領下のオランダ。
戦後のオランダ。
このほんの少しの時代の違いが、
こうも街も人も変わってしまうのかと、
その対比にも注目です。

あと、サスペンスの要素もかなり
入っていますので、
ラストのどんでん返しにも注目を!
本当に悪い奴ってのは、どんな奴なんだろうか?
ブラック・ブック~バーホーベン、ここにあり_c0033213_35211.jpg


同じナチスに対抗して、若くして亡くなった
ゾフィー・ショルの生涯がとてもまぶしく感じました。
彼女とナチスとの戦いの日々を描いたのが、
「白バラの祈り~ ゾフィー・ショル、最期の日々」
です。

こちらはDVDで出てますので、合わせて
見て貰いたいですね。
by fyamasan | 2007-05-11 03:16 | ヨーロッパ映画

メジャー監督、デビューを目指して!


by fyamasan
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31