バベル~壁は「言葉」だけなのか?
旧約聖書「創世記」がしめす「バベルの塔」の物語。

かって神に近づこうと人間が立てた塔。
それを見た神は、
「彼らはひとつの民で、皆ひとつの言葉を
話しているから、このような不遜なことをしでかすのだ。
二度とこのような真似をしないよう、彼らの言葉を混乱させ、
お互いの言葉が聞き分けられないようにしてしまおう」

神はただちに人々をその街から追い出し、人々は
世界各地へと散り散りになった。
言葉もその地方で異なった言葉を用いるようになった。
そして、この街の名は「バベル」と呼ばれるようになった。

神がそこで人々の言葉を混乱(バラル)したからである。

「古代文明ビジュアルファイル」から引用。

バベルの末裔の私たちは、今なお分かり合えないのか?
予告編が秀逸だった、
映画「バベル」

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事件はモロッコから始まった。
少年が試しに撃った銃弾が、アメリカ人旅行客
スーザン(ケイト・ブランシェット)に直撃。
あわてくふためく夫・リチャード(ブラッド・ピット)
アメリカ人を狙ったテロか?
あっという間に、この事件が国際問題にまで発展していく。

遠く離れた日本で、「母の死」など、どうにもならない
日常の生活の中で、フラストレーションがピークに
なった、聾唖の女子高生のチエコ(菊地凛子)。
その彼女の父(役所広司)が、少年が撃ったライフルの
持ち主だった。

そして、アメリカでリチャード、スーザン夫妻の子供の
ベビーシッターも、息子の結婚式に、メキシコまで
二人の子供をつれて行くのだが、これが悲劇の始まりと
なるとは。

1発の銃弾、ライフルが世界をひとつに結びつける

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言葉の壁」よりも、言葉は通じても理解出来ない、
しえない現在の私たちの人間関係の「複雑さ」
「煩わしさ」 その「もどかしさ」に苦悩する人間模様が
描かれているように感じました。
温度差があるというのでしょうか、現代社会に生きている
人間の痛々しいぐらいの切なさが、スクリーンから
にじみ出てきました。

ここに着目する監督のアレハンドロ・ゴンサレス・
イニャリトゥの意図はわかるのですが、「一発の銃弾」で、
すべてを結びつけること、
やや強引に物語が展開していったように思えます。

時間は長いが各パートもそれぞれ描いていくので、
少し全体的に中途半端さが出ています。
この中途半端な感じも監督の意図なら、すごいですが。

アカデミー賞にノミネートされた菊池凛子さん、
想像以上に存在感がありました。
満たされない日常の鬱憤をどこにぶつけたらいいのか
わからず、迷走する彼女の行動はエキセントリックです。
父や母との関係をもう少し掘り下げてくれたら、もっと理解
出来たのですが。

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言葉の問題だけでなく、もっと違う、深いところで
私たち人間は分かり合えないものがあるのでは?
それを監督は描きたかったのではと、僕は考えました。

バベルの末裔の苦悩はいつまで続くのか?
分かり合える日は来るのでしょうか?

神に近づくのではなく、人間がお互いに近づけるための
そんな塔を建てる、それが「バベルの塔」であって欲しい。
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by fyamasan | 2007-06-15 08:57 | 映画 | Comments(0)

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