ヒトラーの贋札~生きるべきか死ぬべきか?
2008年 02月 03日
史実は重し。
その言葉がピタリと当てはまる。
映画「ヒトラーの贋札」
あらすじ: 1936年のドイツ、ベルリン。
パスポートや紙幣など、あらゆる偽造を行うプロの
贋作(がんさく)師サリー(カール・マルコヴィックス)。
犯罪捜査局の捜査官ヘルツォーク(デーヴィト・シュトリーゾフ)に
捕らえられた彼は、マウトハウゼン強制収容所に送られる。
そこは犯罪者の送られる刑務所ではなく、ユダヤ人を
対象にした収容所だった。(シネマトゥデイ)
アウシュビッツの収容所など、ユダヤ人虐殺がクローズ
アップされるナチスドイツですが、偽札までしていた事実には
びっくりしました。
原作者は、当事者の一人で、アドルフ・ブルガー(90歳)。
今のドイツのナチスの残虐行為への意識の低さに、執筆を思い立った
云われています。
「ヒトラー最後の12日間」
「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」
昨年の「ブラック・ブック」と戦後60年を境に
ナチスの戦争行為を検証してみる映画が相次いでいますが、
この「ヒトラーの偽札」も実に見ごたえがありました。
いつ殺されても仕方がないユダヤ人でありながら、
印刷技術があるということで、生かされる。
待遇は良く、他の収容所では考えられないもの。
しかし、自分たちの行為がナチスの延命行為であり、
同胞を裏切る行為でもある。
生きるために信念を曲げるのか?
それとも、死んでも信念を貫き通すのか?
このあたりも同じ収容所の人間たちの間でも意見が分かれ、
作者のベルガーは、死んでも信念を曲げないと誓う男。
その為、作業を遅らす行為をするのだが、遅すぎると
交代させられるので、それは死刑を意味することになる。
自分だけなら良いが、生きたいと願う収容所仲間のことを
考えると、本当に信念を貫くことは許されるのか?
その間を取り持つのが、主人公である、プロの
贋作師のサリー。
犯罪者であり、過去に悪事をはたらいている、彼が
「どう生きるのか?」
「生きねばならないのか?」
「何をすべきなのか?」
色々と悩みながらも、偽札作りに全力を傾ける。
この矛盾した行為に、なんとも言えない辛さを感じます。
仲間の一人が家族が殺されて嘆いている所に、
サリーがポツリと、「ナチの野郎が喜ぶだけだから、
泣くのは止めろ!」
この一言はずしりと、きました。
人間の醜さが前面にでてきますが、いかに人が良心の呵責と
せめぎあい生きていたか、ぜひともスクリーンで見て貰いたいです。
劇場数が限られていますので、見る機会は少ないと思いますが、
今年の見るべき映画の1本ではないかと思います。
その言葉がピタリと当てはまる。
映画「ヒトラーの贋札」
あらすじ: 1936年のドイツ、ベルリン。
パスポートや紙幣など、あらゆる偽造を行うプロの
贋作(がんさく)師サリー(カール・マルコヴィックス)。
犯罪捜査局の捜査官ヘルツォーク(デーヴィト・シュトリーゾフ)に
捕らえられた彼は、マウトハウゼン強制収容所に送られる。
そこは犯罪者の送られる刑務所ではなく、ユダヤ人を
対象にした収容所だった。(シネマトゥデイ)
アウシュビッツの収容所など、ユダヤ人虐殺がクローズ
アップされるナチスドイツですが、偽札までしていた事実には
びっくりしました。
原作者は、当事者の一人で、アドルフ・ブルガー(90歳)。
今のドイツのナチスの残虐行為への意識の低さに、執筆を思い立った
云われています。
「ヒトラー最後の12日間」
「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」
昨年の「ブラック・ブック」と戦後60年を境に
ナチスの戦争行為を検証してみる映画が相次いでいますが、
この「ヒトラーの偽札」も実に見ごたえがありました。
いつ殺されても仕方がないユダヤ人でありながら、
印刷技術があるということで、生かされる。
待遇は良く、他の収容所では考えられないもの。
しかし、自分たちの行為がナチスの延命行為であり、
同胞を裏切る行為でもある。
生きるために信念を曲げるのか?
それとも、死んでも信念を貫き通すのか?
このあたりも同じ収容所の人間たちの間でも意見が分かれ、
作者のベルガーは、死んでも信念を曲げないと誓う男。
その為、作業を遅らす行為をするのだが、遅すぎると
交代させられるので、それは死刑を意味することになる。
自分だけなら良いが、生きたいと願う収容所仲間のことを
考えると、本当に信念を貫くことは許されるのか?
その間を取り持つのが、主人公である、プロの
贋作師のサリー。
犯罪者であり、過去に悪事をはたらいている、彼が
「どう生きるのか?」
「生きねばならないのか?」
「何をすべきなのか?」
色々と悩みながらも、偽札作りに全力を傾ける。
この矛盾した行為に、なんとも言えない辛さを感じます。
仲間の一人が家族が殺されて嘆いている所に、
サリーがポツリと、「ナチの野郎が喜ぶだけだから、
泣くのは止めろ!」
この一言はずしりと、きました。
人間の醜さが前面にでてきますが、いかに人が良心の呵責と
せめぎあい生きていたか、ぜひともスクリーンで見て貰いたいです。
劇場数が限られていますので、見る機会は少ないと思いますが、
今年の見るべき映画の1本ではないかと思います。
by fyamasan
| 2008-02-03 06:41
| ヨーロッパ映画