ヒトラーの贋札~生きるべきか死ぬべきか?
史実は重し。
その言葉がピタリと当てはまる。


映画「ヒトラーの贋札」

あらすじ: 1936年のドイツ、ベルリン。
パスポートや紙幣など、あらゆる偽造を行うプロの
贋作(がんさく)師サリー(カール・マルコヴィックス)。
犯罪捜査局の捜査官ヘルツォーク(デーヴィト・シュトリーゾフ)に
捕らえられた彼は、マウトハウゼン強制収容所に送られる。
そこは犯罪者の送られる刑務所ではなく、ユダヤ人を
対象にした収容所だった。(シネマトゥデイ)


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アウシュビッツの収容所など、ユダヤ人虐殺がクローズ
アップされるナチスドイツですが、偽札までしていた事実には
びっくりしました。
原作者は、当事者の一人で、アドルフ・ブルガー(90歳)。
今のドイツのナチスの残虐行為への意識の低さに、執筆を思い立った
云われています。


「ヒトラー最後の12日間」
「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」
昨年の「ブラック・ブック」と戦後60年を境に
ナチスの戦争行為を検証してみる映画が相次いでいますが、
この「ヒトラーの偽札」も実に見ごたえがありました。

いつ殺されても仕方がないユダヤ人でありながら、
印刷技術があるということで、生かされる。
待遇は良く、他の収容所では考えられないもの。
しかし、自分たちの行為がナチスの延命行為であり、
同胞を裏切る行為でもある。

生きるために信念を曲げるのか?
それとも、死んでも信念を貫き通すのか?

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このあたりも同じ収容所の人間たちの間でも意見が分かれ、
作者のベルガーは、死んでも信念を曲げないと誓う男。
その為、作業を遅らす行為をするのだが、遅すぎると
交代させられるので、それは死刑を意味することになる。
自分だけなら良いが、生きたいと願う収容所仲間のことを
考えると、本当に信念を貫くことは許されるのか?

その間を取り持つのが、主人公である、プロの
贋作師のサリー。
犯罪者であり、過去に悪事をはたらいている、彼が
「どう生きるのか?」
「生きねばならないのか?」
「何をすべきなのか?」
色々と悩みながらも、偽札作りに全力を傾ける。
この矛盾した行為に、なんとも言えない辛さを感じます。

仲間の一人が家族が殺されて嘆いている所に、
サリーがポツリと、「ナチの野郎が喜ぶだけだから、
泣くのは止めろ!」

この一言はずしりと、きました。

人間の醜さが前面にでてきますが、いかに人が良心の呵責と
せめぎあい生きていたか、ぜひともスクリーンで見て貰いたいです。

劇場数が限られていますので、見る機会は少ないと思いますが、
今年の見るべき映画の1本ではないかと思います。
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by fyamasan | 2008-02-03 06:41 | ヨーロッパ映画 | Comments(4)
Commented by miyu at 2008-02-06 06:31 x
思わず自分だったらどうするかな?と考えてしまいますよね。
そっかぁ。原作者の方って90歳なんですね。
Commented by fyamasan at 2008-02-07 03:15
>miyuさんへ

本当にそうですよね。
生きるか死ぬかの瀬戸際。
信念は貫くことが大事なのか?
是か非か?考えるところです。

90歳のベルガーさんは、今の時代の空気が怖くて仕方
ないんでしょうね。
恐怖を知っているだけに。
Commented by オヤジの映画の見方管理人NAO at 2008-05-22 20:34 x
やまさん、コメント、TBありがとうございます。
ナチスの戦争行為を検証している映画が最近公開されていますね。日本映画にこの手の作品が無いのが残念です。いつまでたってもしっかりと向き合っていないという感じです。
Commented by fyamasan at 2008-05-23 01:42
オヤジの映画の見方管理人NAO さんへ

コメントありがとうございます。
その映画は知りませんでしたが、ぜひ見たいですね。
日本ではX翼団体などからのイやらがせもあるので、作るのは
躊躇するんでしょうね。
「靖国」の大騒ぎがそうですもんね。
でも、日本人が撮らなあかん映画もあるわけですから、
頑張らないとダメですよね。

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