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TABOO(タブー)~ボーイ・ジョージの苦悩

昨年末に見た「ジョージ・マイケル~素顔の告白」が
良かったので、ボーイ・ジョージも同じ感じかなと、
何の前知識もなく見に行きました。
で、なんとミュージカル映画でびっくり!
ありゃりゃりゃ~。
映画「TABOO~The Boy George Musical」

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1980年代、UKで火がつき、
瞬く間に世界的スターとなった
カルチャークラブ。
その中心人物の
ボーイ・ジョージの半生を
ミュージカル化したのを、
映像で収めたのが、
この「TABOO」です。

ボーイ・ジョージと言えば、奇抜な
ファッションと、ゲイとしての発言
など、どちらかというと、本来の
音楽より違う面がクローズアップ
された感がありました。


マスコミもそちらの話題の方が、注目を浴びるということで、
異質な存在として、ボーイ・ジョージを取り上げていたと思います。
そんな状況に嫌気がさし、彼は次第にドラッグにのめりこんでいきます。

1980年代の「MUDO CLUB」という店を舞台に、ボーイ・ジョージ
(ユアン・モート)を始め、パフォーマンス・アーティスト(ボーイ・ジョージ)
など、最先端な人たちの生き方が、ボーイ・ジョージの音楽によって
描かれています。

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う~~~ん、時間が140分もあり、かなり長く感じました。
僕は80年代大好き人間なので、ボーイ・ジョージもよく知ってますが、
この映画、彼を知らない人が見たら、退屈というか、よく分からん映画に
思えてくるのでは?
ストーリーもあってないようなものだし、最後もよくわからないままに
終わりました。

2006年の今では、日本も「HG」などゲイというものもかなりオープンに
なっていますが、20年前に80年代では、特殊な人たちという感じで
見られていたんだろうと、この映画を見て強く思いました。
映画のチラシでは、大ヒットミュージカルの映像化と書いてましたが、
ロンドン、NYでもそんなに流行らなかったみたいですね。

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80年代のUK音楽が好きな人には、
ボーイ・ジョージを通じてあの時代を
もう一度体験出来るのでは
ないでしょうか!
「カーマは気まぐれ」など懐かしい曲も
聴けますよ。
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by fyamasan | 2006-02-28 03:55 | 映画

僕のニューヨークライフ~さよならニューヨーク

軽いタッチのコメディだけど、人生の真理を言い当てている、
そんなウッディ・アレン作品はいつも楽しみにしてました。
しかし、今回は「ホテル・ルワンダ」の後に見た為かな、
何とも軽すぎて、いつもの心地よい気持ちにはなれませんでした。
映画「僕のニューヨークライフ」

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若手のコメディ作家のジェフリー・
フォーク(ジェイソン・ビッグス)は
何とも優柔不断な男である。
それゆえ悩みも多い。
恋人で自分とのセックス不感症な
アマンダ(クリスティーナ・リッチ)との
関係に悩み、マネージャーをしている
ハーヴィー(ダニー・デヴィート)とも
そろそろ手を切りたいのだが、
優柔不断な彼ゆえ、何も前に進まない。



そんな彼の背中を一押ししてくれる男が現れた。
ドーベル(W・アレン)という昼間は学校の教師、夜はナイトクラブの
コメディ作家でもある、少し風変わりな男。
見るからに気弱で神経質なタイプだが、いざとなると思い切った
行動をする(横入りした車を壊したり)ので、少し怖い相手。
そして、カリフォルニアでTVでのコメディ番組のつてがあるから、
一緒に行こうと誘われる。
さて、NYでのしがらみを全てを断ち切って、ジェフリーはカリフォルニアへ
旅立てるのしょうか?

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現在はロンドンに拠点を置くW・アレンの最後のNY作品という、
ふれこみの噂の映画であります。
最新作「Match Point」は今年中に日本公開もされそうなので、ロンドンで
W・アレンがどんな話を作るのか、それも楽しみですね。
ちなみに主演は、スカーレット・ヨハンソンだそうです。

この映画、僕がどうも腑に落ちないのは、ジェフリーの恋人、
アマンダを演じるクリスティーナ・リッチの存在。
ジェフリーは彼女一筋なのだが、僕には「モンスター」の姿がだぶり
どうも、セクシーにも見えないんですが。
恋人とはセックスしないが、他の男とは出来るかどうか試してみたり
(これは浮気と違うと主張しますが)と、今風な「小悪魔」な女性かな。
ジェフリーは本当にアマンダに翻弄されるので、見ている分には楽しい
ですが、これが当人だったらかなりきついなあと、ひとりの男としては
思うわけです。
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ジェフリーとアマンダは同棲しているのですが、そこへアマンダの母親が
居候してきたり、ジェフリーが通うカウンセラーは、ジェフリーが「どうしたら
いいんでしょうか?」という質問に対しても、「君はどう思う?」と、的確な
アドバイスをしてくれないという、何のための?カウンセラーなんだと、
思わずつっこみが入るような、可笑しなキャラクターが続々出てきます。

W・アレンの映画に出てくるいつものNYの街並み(イースト・リバー
沿いなど)も出てきますし、コール・ポーター、ビリー・ホリディから、
ドストエフスキーまで話題になるといった知的な洒落た会話も楽しめます。

僕が一番感激したのが、ジェフリーとアマンダが友人たちとライブを
見に行くのですが、そこで歌っているのが、ダイアナ・クラール。
もう少し歌を聴きたかったですが。

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ここまで書いていると、あれ、結構良かったんちゃうの?と、
考え直しました。少し時間がおいて、整理してみると、
感想も変わってきますね。

主人公ジェフリーとW・アレンの姿をダブらせると、この映画、
また違った味わいがありますね。
もう、NYに帰ってこないのかな?
この映画が最後のNY作品にならないことを願ってます!
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by fyamasan | 2006-02-27 03:21 | 映画

ホテル・ルワンダ~今年の超必見の映画

この映画を見ている途中、涙が溢れ出て
どうしようもなかった。
それは、同じ人間への絶望感でもあり、
期待感でもあった。

人間の醜さ、嫌らしさ、どこまで人間は
馬鹿げた行為をとり続けるのか?
それと対照的に、危険を冒しつつ、
他人の命を懸命に守る人々。
子供達の笑顔と歌声に、厳しいが
明日への希望が見えた。
映画「ホテル・ルワンダ」

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1994年というと、もう10年以上も
前のことであり、映画の舞台となった
アフリカ・ルワンダから遠く離れた
日本では、すでに忘れ去られた事の
ようになっています。

ルワンダの首都、キガリ。
二つの部族(フツ族とツチ族)がいるこの
国では、歴史的背景もあり、
一種即発の状態を迎えていた。
ベルギー系の高級ホテル、ミル・コリンで
働くポール(ドン・チードル)は、
支配人であり、オーナーや従業員からの
信頼も厚く、軍の将軍や
裏家業の商売人など、いろいろな人と
繋がりがある顔の広い男だった。

彼を悩ますのは、最近のルワンダの
政治事情。
現在はフツ族の優勢であり、
ツチ族が押され気味。
何かあれば、「ゴキブリ(ツチ族)を殺せ!」と
いうFM放送が流れ、街はピリピリしている。
ポールはフツ族なのだが、妻はツチ族。
もし何かあれば、ただ事では済まされない。
そして、フツ族の大統領がツチ族に殺
されるという事態が発生。
首都は大混乱となり、フツ族による、
ツチ族への大虐殺が始まった。
(3ヶ月で100万人が殺されました)

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この映画はただルワンダの悲劇を
描いただけでなく、
人間ポールの成長をも描いています。
最初はただ、自分の家族を守る事
に固執していただけでしたが、
最終的には1200人もの命を助ける行動を
取ります。
(それゆえ、彼は「ルワンダのシンドラー」と
呼ばれるのです)
悩み苦しみながら、一歩づつ進む
彼の姿には、本当に心動かされました。

映画的にもストーリー展開もしっかり
しており、ただの事実を
見せるだけのものではありません。
ジャン・レノ、ホアキン・フェニックス、
ニック・ノルティなど、
この映画に賛同した(と思いたい)
俳優の演技にも注目です。

内容などから、日本での上映が
営業的にも厳しい事や、海外で
評判となり配給権が高騰したこともあり、
日本での上映は見送られていましたが、
何とか日本でも上映して欲しい、
その思いが3万人の署名を集め、
ついに公開となりました。
このあたりの詳細はこちらをご覧下さい ↓

・「ホテル・ルワンダ」の日本公開を応援する会


昨年末に見た
「ロード・オブ・ウォー」

主役の武器商人たちは、このルワンダでも
多くの武器を流し、大金を得たのでしょうね。
また、武器輸出国のアメリカ、イギリス、
フランスなどは一方で国連軍として、治安や
平和維持活動をしてますが、裏では武器を
売っているという矛盾したこの大国の論理や
危険とわかればすぐに軍隊を引き払う
そのご都合主義。
そんなものにあらためて
気づかせてくれました。


期間も上映館も限られていますが、
ぜひとも映画館へ足を運んで
貰いたいです、切に思います。
(大阪ではただいま、梅田ガーデンシネマのみ)

現在もアフリカでは、部族間で
ルワンダと似た虐殺がまだまだ
続いています。それを考えると
この「ルワンダの悲劇」はまだ
終わってはいないのですね。
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by fyamasan | 2006-02-25 07:20 | 映画 | Comments(2)

ウォーク・ザ・ライン/君につづく道~ダメ男の純愛物語

「五線譜のラブレター」では、コールポーター。

「ビヨンド・THE・シー」
では、ボビー・ダーリン。
そして、この「ウォーク・ザ・ライン」では、
ジョニー・キャッシュ。
3人とも日本ではあまり名前が通っていません。
そのためか、「五線譜~」も「ビヨンド~」も
あまりパッとしませんでした。
「ウォーク~」は今年のアカデミー賞にノ
ミネートされているので、その分は前の
2作より、ヒットは狙えそうかな?

映画「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」

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1940年代のアメリカはアーカンソー州
(クリントンの地元ですね)。
一人の少年がラジオからの音楽に耳を、
心を傾けていた。
カントリー音楽のカーター・ファミリーが
好きで、特に次女のジェーン・カーターには、
こころときめいていた。
少年の名前は、ジョニー・キャッシュ。
まさか人生の大半をこのジューンと過ごすとは
思いもしなかった。

大好きな兄が早くに亡くなり、父とも良い関係
が築けない少年時代を過ごしたジョニー
(ホアキン・フェニックス)は、心の傷を音楽で
癒していた。

結婚後、趣味だった音楽があたり一躍時の人となり、
プレスリーなどとロカビリーの黄金時代を
築くようになる。
その後は、ミュージシャン、成功者のお決まりの
パターンの転落人生を歩むことになります。
お金は手に入り、大きな豪邸も手に入れた。
しかし、成功すればするほど、家族との溝は
深まるばかり。
その後、ドラッグやお酒で身も心もボロボロに
なり家庭崩壊。
そして、独りぼっちになった。
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でも、彼は立ち直る事が出来た。
彼の精神的な支えがジューンだった。
(離婚の原因がジューンとの関係ともとれますが)
映画はジョニー・キャッシュの自叙伝というより、
彼のジューンとの何十年に及ぶ愛の物語
(といより片思い?)だと僕は思います。


今までにない恋愛モノで、面白いエピソードも
たくさんありました。
ジョニーはジューンに40回以上、プロポーズを
申し込み、いつも拒否されてましたし、
ステージ(彼らは一緒にツアーをしていまし)以外では、
話をしない期間が10年間続いたりと、ジョニーの
ジューンへのストーカーを超えた純愛に、驚くことばかり。
反逆や怒れるロック野郎のイメージが強いジョニー
だったのですが、まったくそのイメージが
壊れちゃいました。

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でも、かっこいいところもきちんと
見せてくれますよ。
ドラッグでボロボロになった後の復帰作として、
Sam Quentin刑務所でライブを行い、その模様を
収めたライブ盤を出すことになった。
ジョニーは色々なファンがいたが、刑務所にいる
囚人からもよくファンレターを貰ってました。
ジョニーの歌は彼らの心を捉え、支えになっていた。
今では、刑務所慰問はよくありますが、
当時としては異例のことだったのでは。
看守に「囚人を刺激するような歌は止めてくれ」と
頼まれたのに、一曲目から、殺人者の歌を歌い
だすあたり、彼のやんちゃふりが見えて面白いです。

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そのライブ版は「JONNY CASH AT SAM QUENTIN」
というタイトルで発売されており、早速買っちゃいました。
ジョニーの歌声とホアキンの歌声の違いも
気になっていました。
ホアキンの歌声はジョニーにそっくりだと、
もっぱらの噂だったので、聞きたくて
しかたなかったです。

で、どうだったのか?
答えは皆さんも彼のCDを聞いて比べて下さいね。
今は特集でジョニーキャッシュのCDが
店頭に並んでいますよ。

レイ・チャールズもかなりやんちゃで
無茶苦茶してたけど、やはりスターといえども
同じ人間なんだと、この手の映画を見ると
ホッとしますね。
人間、人間くさいのが一番ですね。
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by fyamasan | 2006-02-22 18:16 | 映画 | Comments(2)

「フライトプラン」に満足出来なかった方へ

1月の公開以来、賛否両論の「フライトプラン」。
なかなか手厳しい御意見の方へ、オススメの映画があります。
A・ヒッチコック監督「バルカン超特急」
イギリス時代のヒッチコック作品の中で最高作との呼び声高い!

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「フライトプラン」では舞台は飛行機の中。
この「バルカン~」では、列車の中となっています。
どちらも閉ざされた中で、人が消えるなんてありえないのですが。

春近くの東欧の小国(バンドリカ)のある駅。
ロンドン行きの国際列車が、大雪の為に停車していた。
乗客は駅近くのホテルに泊まり、明日の出発に備えていた、
その晩、殺人事件が起こる(これも少し記憶しておきましょう)
翌朝、様々な乗客を乗せた列車が再び走り出した。
ロンドンでのクリケットの試合が気になるイギリス紳士の二人。
もうすぐ結婚する富豪令嬢のアイリス(マーガレット・ロックウッド)。
脳外科医の男。芸能一座の夫婦。不倫旅行中の恋人(結構年配)。
アイリスに一目ぼれした男。そして、貴婦人ミス・フロイ。

アイリスとフロイは向かいの席に座っていたので、仲良くなり
食堂車で一緒に紅茶を楽しんだ。
その後、アイリスは疲れからか、ウトウトと寝てしまい、気づくと
向かいにいるはずのフロイがいない。
トイレかと思い探したがどこにもいない。近くの座席の人にも
聞いたが、そんな女性は見なかったという。
そんなはずはない、さっき一緒に話をして、お茶もしたのに。
そんな彼女に助け舟を出したのが、彼女に一目ぼれした男。
語学も達者な彼は、ドイツ語、フランス語を駆使して、乗客に
問いかけるが、誰もそんな女性は知らないと答えるのみ。
そして、脳外科医の男は、アイリスが乗車前に頭を打ったのが
原因で幻覚を見ているのだと、主張する。
フロイに似た女性も出てきたので、幻覚かなと思いだしたのだが、
食堂車でフロイがスペルを窓に書いたのが残っていた。
そこで、アイリスは確信する、「やはりフロイはいる、何か事件に
巻き込まれたんだ。彼女を探さないと」
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ここまで書くと「フライトプラン」と同じやん!
いやいや、「フライトプラン」の方が真似てるんですが。
共通なポイントを整理しましょう。

1.フロイという女性が消えた。ジュリアという娘が消えた。
2.アイリスは乗車前に頭を強く打っている。
  カイルは6日前に夫を亡くしており、精神的に不安定。
3.ジュリアは飛行機の窓ガラスに「ハートマーク」を書く。
  フロイは列車の窓ガラスに自分の名前(フロイ)を書く。
4.近くに座っている者は、口をそろえて、そんな女性(娘)を
  見ていないという。

僕的には、「フライトプラン」と「バルカン~」の出来の違いは
他の乗客のキャラクター設定の差かなという気がします。
「フライト~」では、ほとんど他の乗客の性格なり人物像が
希薄でしたが、「バルカン~」では、人物像が実にきちんと
描かれています。
(このあたりは映画を見てご確認下さい)
僕はクリケット好きなイギリス人が気に入りましたね。
いい味出してますよ。

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また、「フライト~」ではオチが分かると面白さが急降下して
いきましたが、「バルカン~」ではオチが分かった後でも、さらに
ハラハラドキドキがあり、楽しめる展開となっております。
製作年が1938年ですが、さすがはヒッチコック。
やはりあんたは天才だ~!
アクションシーンなどは、時代を感じさせますが、ストーリー
展開などは、今でも通じる面白さ。

只今、「水野晴郎監修【世界名作映画DVD」として、500円で
書店やCDショップで売っていますので、お買い得かと思います。
ちなみに、 水野晴郎監督作品の「シベリア超特急」の名前も
この「バルカン超特急」から来ているとの事。
さすがは水野晴郎さん、目の付け所が違うぞ!
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by fyamasan | 2006-02-22 03:57 | 映画 | Comments(2)

あおげば尊し~「死」と最後の授業

今年も3月になれば全国の小、中学校、高校、大学、
専門学校と、多くの学校で卒業式が行われます。
その式では最近は、「あおげば尊し」を歌っているのかな?
僕の世代では当然のように歌っていたんだけどなあ。
映画「あおげば尊し」 テリー伊藤(主演)・市川準(監督)

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中学教師の光一(テリー伊藤)は、ガンで余命3ヶ月の同じ
中学教師だった父(加藤武)を、病院ではなく、自宅で最後の
日々を過ごして貰おうと、母(浅生美代子)、妻(薬師丸ひろ子)
の3人で介護にあたることにした。

昔気質の厳しい先生だった父を見舞いに来る生徒も
いなかった。

そんな時、光一のクラスでインターネットのサイトで死体を
見るのが流行っていた。
「そんな死体など見るな!」と生徒を叱り付けるが、
光一は生徒の「なぜ、死体を見てはいけないのか?」
という質問には答えられずにいた。
特に一人の生徒は「死」にかなりこだわりがある。
ひとつの試みとして、課外授業として、生徒に自宅にいる父の姿を
見てもらおうと、生徒を招いたのだが、これが学校の内外に
波紋を広げた。

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光一を演じるのが、これが映画初主演となるテリー伊藤。
TVのブラウン管で見る、いつもの毒舌を吐くテリー伊藤ではなく、
死に際の父を見て、「死」というものは、どんなものなのか?
父に何をしてやれるのか?
生徒に何を伝えられるだろうか?
必死で考えて悩む、一人の教師の姿だった。
なかなかの熱演ですよ!

この映画はストーリー的にハラハラドキドキがあるわけでもなく、
淡々と静かに進んで行きますが、それゆえに、「死」というものを
見ている者も一緒に考えていけるのでは、と考えます。

僕自身、身内の死はあまり経験がありませんが、祖母がもう90歳と
いうことを考えると、もしもという場合もあります。
もし余命が残り数ヶ月と聞かされると、自分にはどんな行動が
取れるのだろうか?祖母は何を望むのだろうか?

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この映画を見て思い出したのが、
「モリー先生との火曜日」です。
映画化(ジャック・レモンの遺作)にもなっていますが、
日本では多分未公開でしたが、ビデオ&DVDに
なっていると思います。



スポーツライターとして成功した主人公は、かっての
大学の恩師が余命少ない事を聞き、毎週火曜日に、
恩師と1対1で、授業を受けるというもの。
教科書、テキストなどは無く、恩師との対話が、主人公にとって
最高の最後の教科書となるわけです。
テーマは「人生」、「愛」、「死」、「幸せ」、「沈黙」など様々なものが
あったように思えます。
僕は生意気にも原書を読み、大変感動した記憶があります。

「学校崩壊」のニュースや「ゆとり教育の失敗」など、今でも教育現場は
混乱&模索しながら進んでいるのでは。
この映画にも教師の役割が分からない教師や厳しさを求める教師など、
色々な顔ぶれの教師が出てくるので、教師自身も自分の職業に自信を
なくしている、そんな感じを受けます。

光一の父は、自分の教師像を光一に語っていました。
「俺が生徒に厳しくして、それを生徒が若いうちは分かってくれなくとも
いいんだ。怒って反発してくれてもいい。でも、大人になり、それが
分かるときが来ると思う、それでいいんだよ」

この思いはかっての教え子に伝わっているのでしょうか?
ラストに注目を!
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by fyamasan | 2006-02-20 23:02 | 邦画 | Comments(4)

サイレン~サイレンが鳴ったら外に出てはならない

最近は、ホラー好きなbobbyshiroさんの影響で、
ホラーも映画館限定ですが、見るようにしています。
ゲーム「サイレン2」の売れ行きも好評で、映画も中々な
出だしという評判の「サイレン」見てきました。

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舞台は夜美島(やみじま)という、
何やら因縁の残る島。
この島に父であるライターの
天本真一( 森本レオ) と長女の
由貴(市川由衣)が、病気の
療養中の弟の英夫(西山潤)を
連れてやってくる所から
始まります。

三人を迎え入れてくれたのは、
島の診療所に勤める医師の
南田豊(田中直樹)だが、
他の島の人たちの表情は暗く、
何やら島全体が不気味な感じで、


同じ日本とは思えず、異国情緒が漂っている。

隣の女性(西田尚美)から、こんな話を聞いた。
「サイレンが鳴ったら外に出てはならない、絶対に」
何の事か分からない由貴だったが、夜に森へ行き、
消息不明となっていた父が突然帰ってきてから
(しかも別人のように変わっていた)、この島に
残る伝説と、忌まわしい過去を知り、愕然となる。
そして、恐れていたサイレンが鳴り出した、、、、。

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世界にまつわる「突然の集団失踪事件」や、この島にまつわる
忌まわしい過去の話など、映画のストーリーの外枠は凄く面白く、
引き付けてくれるのですが、肝心の最後のオチが分かると、
ガクーんとなり、
「今までの話はなんやってん~!」と、強烈なつっこみを
入れたくなりました。

このオチをもう少し考えてくれたら、これはかなり良く出来た映画に
なったのに、もったいないなあというのが、正直な感想になりますね。
映画館も中学生や親子連れなどが多く、ジェットコースターの
スリルと怖さを見たくて来ている感じでしょうか。
その分には楽しめたと思いますが。

この映画、音がかなり重要な役割をはたしますので、見る方は
映画館で(特にサウンドの優れた映画館)で見ていただく事を
オススメします。
後は、森本レオさんの怪演も見ものですよ。
市川由衣ちゃんのクリッとした大きな目も印象に残りました。

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映画とゲームの結末は違うらしいので、僕はゲームがかなり気になる
のですが、PS2を持っていない僕は出来ません(^:^)

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気になる方は、ぜひ、ゲームに挑戦してください!
難易度はかなり下がったとの噂です。
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by fyamasan | 2006-02-20 03:46 | 邦画 | Comments(4)

『頭文字<イニシャル>D THE MOVIE~下り最速の男

「SAYURI」では、日本人芸者の役を中国人が演じていて、
「え?」とびっくりしました。
そしてまたまた、日本が舞台、日本人の話なのに、
ほぼ、香港、台湾スターの競演となりました。
果たして、いかなる出来具合に?
映画「『頭文字<イニシャル>D THE MOVIE」

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秋名山の下りは急カーブの連続で
走り屋にはかっこうのコースとなっている。

高校生の主人公の藤原拓海
(ジェイ・チョウ)は、父・文太(アンソニー・
ウォン)が経営する「藤原とうふ」の配達を
手伝っている。




拓海は中学時代から車に乗り(これはやばいだろ?)、
慣れた手つきで秋名山の下り坂も自分の庭のように運転する
凄腕のドライバーなのだ。
ある日、この坂で見知らぬ走り屋の車を抜き去ったことから、
彼の名は走り屋の中でいちやく有名になる。
当然、色々な走り屋が勝負を挑んでくるが、拓海には敵わない。
しかし、プロのレーサー(これは反則じゃないの?)に負けてから、
拓海の中に、今まで気づかなかった走り屋としての、
血が騒ぎ出してきた。
(実は、拓海の父・文太はかって「秋名山の下り坂・最速の男」として
伝説の男だったのだ)

走り屋として目覚めた拓海は、レーサーと再び勝負を挑む!

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原作はしげの秀一の「頭文字<イニシャル>D」。
アニメ化、ゲーム化でも大ヒット。待望の映画化であり、
車好きな人にも受けたとあって宣伝はそんなにしていなかったのに、
意外と(これは失礼だが)ヒットしたのには驚きました。

僕は漫画も読んでおらず、車にも殆ど興味がないので、
どんなんかな?と興味を持って見ました。
車に興味がない僕でも、これはかなり楽しめましたので、
車好きな方には大満足じゃないのかな?
特に、下り坂でのバトルシーンには、CGを使わないリアルな車の映像が
「お~、すげ~!」と思わず、前のめりになりました。

拓海の愛車「ハチロク(トヨタスプリンタートレノAE86)」と呼ばれる車で、
(車のサイドには「藤原とうふ」と名称付きです)
バトルする走り屋たちは、GT-Rに乗っております。
車に詳しいとなお一層面白いんだろうなあと感じました。

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主役の拓海には、台湾芸能人長者番付
NO1で歌手のジェイ・チョウ。
これが映画初出演ということです。
他には香港新四天王のエディソン・
チャンとショーン・ユー。
拓海の彼女・なつき役に鈴木杏と
なかなかな日中台の豪華顔ぶれとなっています。



ただ、いかんせん、みんな日本人の設定なのに日本語喋らないし、
日本人ではないので、最初はなんか違和感がありました。
これをどう感じるかで、映画の感想が変わってくるのでは?

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拓海の実家の藤原とうふ屋は、実在の豆腐屋の名前を変えて
撮影してましたが、映画の反響か、「頭文字D」ファンが詰め掛ける
ので、名前も藤原とうふ屋に変えたというオチまであります。

車好きな方はもちろん、あまり興味もない方でも、
秋名山の下り坂のバトルは一見の価値ありですよ!
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by fyamasan | 2006-02-17 17:16 | 映画 | Comments(1)

空中庭園~秘密の無い家族とは?

少し前に公開された
映画「疾走」
は現代の家族の
もろく崩れ去る姿を描いています。
この「空中庭園」でも、同じ家族の姿を
描いていますが、一味違う仕上がりに
なっております。
映画「空中庭園」小泉今日子(主演)・
豊田利晃(監督)
原作・角田光代(直木賞作家になりました)

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この映画の主役となる京橋家には
あるルールがあった。

・家族の誰もが秘密を持たないし、
誰も隠し事はしない。

映画の冒頭で、朝食の時間に、長女のマナ
(鈴木杏)が、母の絵里子(小泉今日子)に、
「私はどこで作られたの?」と、「え?」と思う
(普通、朝というか親には聞けない質問だろ?)
質問をして、それに対して、絵里子や
父の貴史(板尾創路)も普通に
「ああ、ホテルの野猿だよ。あそこのホテル
しか空いて無かったからね」と答えるという、
驚きの展開で始まるのでびっくりしてしまう。

そんな秘密の無い家族のはずなのだが、
家族がそれぞれ秘密を持っているから面白い。
絵里子は家族に学生時代は生徒会長を
していたと、明るい学生だったと言っているが、
実は引き篭もりのいじめられっ子で、
イジイジ、ナヨナヨしているから
あだ名も「なよ子」だった。
貴史も浮気者で、二人の女性と関係を持ち、
マナは学校をさぼり、平気でホテルに行くし、
長男のコウ(広田雅裕)は、万引きまで
してしまう。

こんな矛盾だらけの家族、ひとつのほころび
から家族がそれぞれ秘密を持っていることが
分かり、そして、、、。

c0033213_248265.jpg

「仮面夫婦」という言葉があるなら、この家族は
「仮面家族」だろうか。
家族の誰もが、家族の一員を演じていて、
「学芸会」のようである。
(映画でも、貴史の浮気相手、ミーナ(ソニン)も
同じ事をつぶやく)
ただ、この家族ごっこも家族にまだ「愛」」が
あるから、まだホッとする。
このあたりが「疾走」と違うところかな。
どんな愛があるかは、映画を見てのお楽しみに!

c0033213_3174871.jpg

薬師ひろ子もそうですが、キョンキョンも
僕としては、女優というより、アイドルとしての
イメージが強かったですが、この映画を見て、
女優小泉今日子をしっかり認識出来ましたね。

この映画、配役がすごくぴったりで、
特に、絵里子の母役の大楠道代が、
ダントツで光ってました。
むちゃくちゃな母なんですが
(しかし憎めないキャラですね)、
人生経験から語る一言一言には重みがあるんですね。
ぜひ、映画で聞いてください。

c0033213_3134172.jpg

監督が今まで「男くさい」映画を撮っている
豊田利晃。
(僕は格闘技好きからだけでなく、
「アンチェイン」は傑作だと思います)
映画の公開前に、覚せい剤で捕まり、
映画そのものが危ぶまれましたが、無事、
公開出来てなによりです
(しかし、公開期間はあっという間でした(悲))

この映画では、カメラワークに注目して
欲しいですね。
少し気分が悪くなるような感じを
受けますが、監督独自の光の当て方や
表現方法が見事ですね。

現代の家族を描いた映画の中でも、
ダントツに優れていると思います。
自分の家族と重ね合わして、見てみるのも
いいかもしれないですね。
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by fyamasan | 2006-02-16 03:07 | 邦画 | Comments(2)

パッチギ!~井筒監督登場

朝日新聞が主催している朝日ベストテン映画祭も
今年で48回目を迎えたと聞きました。
毎年、この時期に、ベストテンの何作品かを
リサイタルホールで上映してますが、
今日は、邦画部門の見事第1位に輝いた
井筒監督の「パッチギ!」の上映がありました。
7時のラストの回は、授賞式があるというので、
見に行きましたが、サプライズなゲストで
井筒監督が登場してくれました。

c0033213_4171242.jpg

劇場公開が去年の今頃だったかな?
もうDVDで出ていますし
この朝日ベストテン以外でも、多くの賞を
取っていますので、見られた方も多いと
思いますが、僕は映画館で見たかったので、
今日は楽しみにしてました。

「パッチギ」とはなんぞや?と思われる方
(特に関東など)、色々な意味があるみたいですが、
「頭突き」という意味が一般ではないでしょうか。

この映画では「(困難を)乗り越える、打ち勝つ」
という意味に使われています。

舞台となるのは、1968年の京都。
まだビートルズが現役で、町の映画館には
「猿の惑星」がロードショー公開されています。
京都のある高校の2年生の康介(塩谷瞬)と
親友の紀男(小出恵介)は、あることがきっかけで
担任の先生から、近くにある朝鮮高校に
親善試合(サッカー)を申し込んでくるように命じられます。

いつも「どつかれてる」イメージがあったので、
朝鮮高校へ入るのは、かなり勇気がいったのですが、
二人は決死の覚悟で職員室を探します。
そして、音楽室でフルートを吹くキョンジャ(沢尻エリカ)を
見て、康介は恋に落ちてしまう。
その時に、キョンジャ達が演奏していたのが、「イムジン河」。
意味も分からずに、キョンジャに近づきたい一身で、
康介はハングル語を覚え、ギターでこの曲を弾けるように
練習を始めた。
そして、康介はキョンジャをはじめ、朝鮮高校の生徒達と
仲良くなるのだが。

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この映画を僕は青春映画としてみたいです。
青春には恋はつきもの。そして、その恋はなかなか
上手くいかない。
康介は日本人、そして、キョンジャは在日の朝鮮人。
二人には国籍以上に大きな壁がある。
かって日本が明治以来、朝鮮半島や中国へ
侵略し、多大なる犠牲をあたえたという過去の
歴史がある。
キョンジャが言う、
「もしもやけど、康ちゃんとうちがずうっと付き合って、
結婚するとなった時、康ちゃん、朝鮮人になれる?」
何も言えない康介。
また、キョンジャのおじさんが康介に向かって、
朝鮮人、在日の人たちの苦労を語る場面では、
見ていて日本人として、とても身につまされました。

日本人として、朝鮮人として避けては通れない
問題がありますが、康介やキョンジャのような
若い世代が少しずつ、この壁を取り除いてくれる、
そんな希望をこの映画で見たような気がします。

また青春にはケンカがつきもの。
この「パッチギ!」でも、多くのケンカシーンが
あり(女性は少しひくかも)、痛さが伝わる映画ですね。
「ビーバップ・ハイスクール」世代の僕としては
懐かしさも感じました。
ケンドーコバヤシが空手部の部長役ですが、
いい味出してますね。

出番は少ないですが、オダギリジョーに、
大友康平の存在感は良かったですね。
特に、大友の男気には、天晴れです!

c0033213_552025.jpg

そして、この映画の副題とも言える、
劇中で流れる「イムジン河」。
朝鮮半島の真ん中を流れる川を
モデルに、いつかは半島統一を
願う歌であります。

同じ民族を分ける河、違う民族を分ける河。
いつかはこの河が何人も分けない河になるように、
そんな監督の熱い思いが伝わってきます。
なによりも難しい問題を見事にエンターテイメントと
している所が素晴らしいです!

映画の上映が終わってから、再び井筒監督の登場で、
色々話を聞きました。
現在、この夏から「パッチギ!」の続編の製作に
取り掛かるそうです。
続編では、キョンジャの父にもスポットライトをあてたいと
言っていました。
そして、もう今日ですが、バレンタインの14日、
とうとう韓国でも「パッチギ!」が上映される事が
決まったと言う事です。

韓国でも「パッチギ!」旋風は吹き荒れるのか?
そんなニュースを聞きたいですね。
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by fyamasan | 2006-02-14 05:20 | 邦画 | Comments(3)


メジャー監督、デビューを目指して!


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そして、
「人々の心を開く映画を
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