黄金のアデーレ~名画の帰還~ガッツなお婆ちゃん
2015年 12月 09日
あらすじ・
アメリカ在住の82歳のマリア・アルトマン(ヘレン・ミレン)は、グスタフ・クリムトが描いた
伯母の肖像画で第2次世界大戦中ナチスに奪われた名画が、オーストリアにあることを知る。
彼女は新米弁護士ランディ(ライアン・レイノルズ)の助けを借り、オーストリア政府に
絵画の返還を求めて訴訟を起こす。
法廷闘争の一方、マリアは自身の半生を振り返り……。
今年は戦後70年ということで、色々な戦争を扱った映画が公開されています。
この映画もそうなりますね。
ただ、戦争を全面に押し出すのではなく、翻弄された一枚の絵から、
ナチスから派生した悪を描いています。
亡くなった姉が残した一枚の手紙が、妹の運命を大きく変えていく。
懐かしき故郷を思い出させる、クリムトの絵画「黄金の女」。
しかし、それはナチスからの迫害を受け、両親を残して亡命したという、
悔恨を思い出させる絵でもあった。
その狭間で揺れながら、ヘレン・ミレン演じる主人公は、祖母と孫ほど離れた弁護士と、
時に喧嘩をしながら、なんとか絵画を取り戻そうと奮闘。
絵画を巡る話しの中に、人間の悪を描く(ナチスの残虐性だけでなく、
それに感化された、時代を上手く乗り切ろうと、したたかな怖さをもつ人々も)
社会派の映画でありながら、歴史ものでもあり、エンターとしても成立している。
映画の力を大いに感た映画でした。
なかなか見応えある映画です。
ヘレン・ミレンが時には弱音を吐きますが、前に向かって進む、
やんちゃなお婆ちゃんを、素敵に演じてます。
地味な映画ではありますが、見て損はない映画。
こういう映画こそ、ヒットして欲しい。
by fyamasan
| 2015-12-09 22:28
| 映画