オリバーツイスト~人間の善意と悪意
2006年 01月 18日
チャールズ・ディケンズと言えば、「クリスマス・キャロル」が
一番に浮かぶと思いますが、そのディケンズの代表作の
ひとつでもある、「オリバーツイスト」が、「戦場のピアニスト」の
ロマン・ポランスキー監督の手により、現代に蘇りました。
ポランスキー版、「オリバーツイスト」
19世紀のイギリス。
救貧院で暮らす孤児のオリバー
(バーニー・クラーク)は、
食事のおかわりを要求したという事で、
問題児扱いされ、葬儀屋へ奉公へ
出される。
そこでの扱いにも嫌気がさし、
オリバーはひとり、「遥か彼方」という
表現がぴったりなロンドンを目指して
歩き出す。
約1週間かかり、服も靴もボロボロになりながら、ようやく辿り着いた。
しかし、もう足や体は動けないほどに、疲れ果てていた。
そんなオリバーを助けてくれたのは、泥棒団のボス、
フェイギン(ベン・キングズレー)が養っている
少年スリの一人、ドジャー(ハリー・イーデン)だった。
この泥棒団に世話をされて、オリバーは生まれて初めて
人の情けを知ることになる。
この泥棒団にオリバーも入り、スリが出来るように、ドジャーや
先輩の行動をついて見ていたのだが、オリバーだけが捕まってしまう。
やがてこれが無実とわかり金持ちのブラウンロー氏の元へ
引き取られる。ようやくオリバーも幸せになったかと思いきや、
今度は泥棒団に引き戻される。
僕も正直、あんまり原作は知らないのですが、映画はかなり
原作に忠実との事で、オリバーの出生の秘密が明かされて
いないのが、原作と違うことでしょうか。
この映画の一番の魅力はオリバーを演じたバーニー・クラーク。
オーディションでポランスキー監督の目にとまった期待の新人。
オリバーの「綺麗な顔立ちだが、物憂げな悲しい表情をしている」、
この設定にぴったりな少年でした。
彼の瞳を見ていると、孤児だが何か秘密がありそうな感じが
伝わってきます。
フェイギンを演じた、ベン・キングズレーも怪演と呼べそうな、
「エルム街の悪夢」のフレディを思い出させますね。
(ひどい、人間扱いじゃないですね)。
見事な特殊メイクをしているので、絶対に分からないはずです。
ドジャーを始め、少年スリを演じた子役も、大人顔負けで、
ロングコートを颯爽と着て、パイプも吹かして、堂々の紳士然でした。
さあ、圧巻は約80億円をかけた制作費の殆どがこれだった
のでは、と思うほど、リアルに再現された19世紀のロンドン。
見ている者が、19世紀にいるかのような、見事なセット。
CG全盛のこの時代に、このセットを作るポランスキーの
心意気に拍手!
エンドロールが終わっても決して帰らないで下さいね。
版画で?書かれた当時のイギリスの風景画が見れますので。
ただ、僕的には、今、なぜ、「オリバーツイスト」なのだろうか?と
考えてしまいます。
「戦場のピアニスト」では、ユダヤ人としての過去を
描いたからこそ、次は未来を描こうと思ったのでしょうか。
どんな不幸な事を経験しても、純粋な信じる事を忘れないので
あれば、オリバー少年のように、最後には幸せになると、
伝えたかったのでしょうか?
オリバーが人間の善の象徴だとすれば、生活の為とはいえ、
子供たちを泥棒として働かせるフェイギンは悪の象徴なのでしょうか?
フェイギンも確かに悪い人間ですが、行き場のない孤児の面倒を見て、
スリなどをさせているのですが、この時代には必要悪のような存在に
思えてきます。悪い人間というよりも、こうしてでも生きねばならなかった
ひとりの可哀想な人間に思えてくるのですが。
皆さんも、ポランスキーがこの映画で描きたかった事を
考えてみるのはどうでしょう?
一番に浮かぶと思いますが、そのディケンズの代表作の
ひとつでもある、「オリバーツイスト」が、「戦場のピアニスト」の
ロマン・ポランスキー監督の手により、現代に蘇りました。
ポランスキー版、「オリバーツイスト」
19世紀のイギリス。
救貧院で暮らす孤児のオリバー
(バーニー・クラーク)は、
食事のおかわりを要求したという事で、
問題児扱いされ、葬儀屋へ奉公へ
出される。
そこでの扱いにも嫌気がさし、
オリバーはひとり、「遥か彼方」という
表現がぴったりなロンドンを目指して
歩き出す。
約1週間かかり、服も靴もボロボロになりながら、ようやく辿り着いた。
しかし、もう足や体は動けないほどに、疲れ果てていた。
そんなオリバーを助けてくれたのは、泥棒団のボス、
フェイギン(ベン・キングズレー)が養っている
少年スリの一人、ドジャー(ハリー・イーデン)だった。
この泥棒団に世話をされて、オリバーは生まれて初めて
人の情けを知ることになる。
この泥棒団にオリバーも入り、スリが出来るように、ドジャーや
先輩の行動をついて見ていたのだが、オリバーだけが捕まってしまう。
やがてこれが無実とわかり金持ちのブラウンロー氏の元へ
引き取られる。ようやくオリバーも幸せになったかと思いきや、
今度は泥棒団に引き戻される。
僕も正直、あんまり原作は知らないのですが、映画はかなり
原作に忠実との事で、オリバーの出生の秘密が明かされて
いないのが、原作と違うことでしょうか。
この映画の一番の魅力はオリバーを演じたバーニー・クラーク。
オーディションでポランスキー監督の目にとまった期待の新人。
オリバーの「綺麗な顔立ちだが、物憂げな悲しい表情をしている」、
この設定にぴったりな少年でした。
彼の瞳を見ていると、孤児だが何か秘密がありそうな感じが
伝わってきます。
フェイギンを演じた、ベン・キングズレーも怪演と呼べそうな、
「エルム街の悪夢」のフレディを思い出させますね。
(ひどい、人間扱いじゃないですね)。
見事な特殊メイクをしているので、絶対に分からないはずです。
ドジャーを始め、少年スリを演じた子役も、大人顔負けで、
ロングコートを颯爽と着て、パイプも吹かして、堂々の紳士然でした。
さあ、圧巻は約80億円をかけた制作費の殆どがこれだった
のでは、と思うほど、リアルに再現された19世紀のロンドン。
見ている者が、19世紀にいるかのような、見事なセット。
CG全盛のこの時代に、このセットを作るポランスキーの
心意気に拍手!
エンドロールが終わっても決して帰らないで下さいね。
版画で?書かれた当時のイギリスの風景画が見れますので。
ただ、僕的には、今、なぜ、「オリバーツイスト」なのだろうか?と
考えてしまいます。
「戦場のピアニスト」では、ユダヤ人としての過去を
描いたからこそ、次は未来を描こうと思ったのでしょうか。
どんな不幸な事を経験しても、純粋な信じる事を忘れないので
あれば、オリバー少年のように、最後には幸せになると、
伝えたかったのでしょうか?
オリバーが人間の善の象徴だとすれば、生活の為とはいえ、
子供たちを泥棒として働かせるフェイギンは悪の象徴なのでしょうか?
フェイギンも確かに悪い人間ですが、行き場のない孤児の面倒を見て、
スリなどをさせているのですが、この時代には必要悪のような存在に
思えてきます。悪い人間というよりも、こうしてでも生きねばならなかった
ひとりの可哀想な人間に思えてくるのですが。
皆さんも、ポランスキーがこの映画で描きたかった事を
考えてみるのはどうでしょう?
by fyamasan
| 2006-01-18 03:40
| 映画