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花よりもなほ~てぇへんだー仇討だ~!

試写会で一度見たのですが、もう一度劇場へ足を運びました。
そうすると、不思議な事に、最初に見た時よりも面白いじゃ
ありませんか。
ストーリー展開、笑いのシーン、話のオチなど分かっているのに、
2回目は細かい所を見ようとしていたのが、
良かったのかもしれませんね。
早くも続編が決まり? 海外配給権も高値で売れている。
映画「花よりもなほ 」
監督・是枝裕和

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時代は今を遡ること300年。
江戸時代で赤穂浪士の討ち入りの前の話なんで、
もちろん時代劇であります。

父の仇討の為に信州から江戸へ来た侍の青木宗左衛門(岡田准一)。
剣術指南の父がいるくせに、腕はからっきしダメで、争い事が嫌いな男。
しかし、長男ゆえに、仇討せねばならない。
今のようなインターネットも情報も氾濫していない時代、
仇討の敵を探すには、富くじ(今の宝くじ)に当たるくらい難しいと
云われていました。
その敵が住みそうな貧乏長屋に暮らしてみても、
なかなか手がかりがなく、長屋に住むかなり怪しげな人たちに
囲まれて、季節は過ぎていく。

そんな中、ようやく敵が見つかったのだが、相手には妻も子もいた。
非情になれない宗左。
剣がダメなら学で勝負と、宗左は長屋の人たちと協力して、
うその仇討を企てるのだが、それと並行して、
時代は赤穂浪士の討ち入りの計画も進んでいた。

うその仇討、本当の討ち入り、果たして二つとも上手く
行くのだろうか?

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この映画、冒頭の音楽がとても心に残る。
タブラトゥーラという5人組のバンドが、
ヨーロッパの古楽器を使い、不思議な音色を奏でてくれる。
この音楽に参ってしまった。

そして、長屋に住む怪しげな人たちを含め、豪華出演陣に注目。
特に古田新太さん、人につけこむ調子のいい男を好演。
日本アカデミー賞、助演ぐらいは欲しいもの。
宗左が密かに恋心を抱く人妻おさえに、宮沢りえ。
上島竜平、千原兄、キムキム兄さんらのお笑い系に、
香川照之、原田芳雄、中村嘉葎雄、田畑智子など。
長屋の店主には、國村準。
にっくき敵には、浅野忠信と、その他、「え、こんな人も、
あんな人も」という感じなので、誰がどこに出てくるのか、
楽しみにしてください。

また、映画は冬に始まり、春、夏、秋、そしてまた冬というように、
江戸の一年の描くのですが、さりげなく四季折々の姿を
スクリーンに写していきます。
花見客、うちわ売りの姿、壁に貼る習字の文字など、
本当にさりげなく季節を出していますので、さりげなさに注目です。

この映画のタイトル「花よりもなほ」は浅野内匠頭の辞世の句の一部。
仇敵の吉良上野介を残して死ぬ無念さを詠んだ歌ですが、
監督の是枝裕和がこの映画で伝えたかったものは、何かを考えると
意味深い。

僕的には、おさえが、宗左にいうセリフにあるのではと考えます。

「お父上の人生が宗左さんに残したものが憎しみだけだとしたら、
それは悲しすぎます」

復讐に人生を費やす事を、実の父は推奨するのだろうか?
親は何を子に残してやれるのだろうか?
そして、子供はそれをどう捉えて生きていくのだろうか?

復讐の悲惨さや悲しさを、正面からどうどうと語るのではなく、
さりげなく、見ている者に伝えようとする是枝監督の演出に
社会派と云われる?やまさんも参ってしまいました。

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仇討の苦労や日本最後の仇討を描いた
吉村昭さんの「敵討」を読むと、この映画の持つ
メッセージがより伝わるように思います。




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こちらがタブラトゥーラのメンバーです。     ↑↑↑
「花よりもなほ」のサントラはまだ
発売していないみたいです。
(タワレコで確認しました)
by fyamasan | 2006-06-13 04:20 | 邦画

メジャー監督、デビューを目指して!


by fyamasan
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