蟻の兵隊~未だ戦争は終わらず
2006年 08月 15日
2006年8月15日。
終戦からすでに61回目の敗戦記念日と
なりました。
前日に、ものすごい映画を見てしまい、
怒りと悲しみが、僕のこころの中で
渦巻いております。
この映画をぜひ、多くの人に見て
貰いたい、そんな想いが久しぶりに
起こりました。
映画「蟻の兵隊」
この映画の主人公の奥村 和一
( おくむら・ わいち ) さんは、終戦当時、
中国は山西省に駐屯していた陸軍第一軍に、
初等兵として従軍していた。
この第一軍(残留軍)の一部が、日本の
敗戦後も軍隊として機能を持ち、中国国民
党系の軍閥に合流して、中国l共産党と
戦ったという事実があった。
それが4年間も続き、約550人が死亡し、7
00人以上が捕虜となった。
よって奥村さんは敗戦後も日本へ帰る事が
出来ずに、9年後にようやく帰国出来たのである。
ここで問われる問題が出てくる。
ポツダム宣言受諾後、一斉の軍を保持する
ことを否定した日本政府が、このような
行為を行う命令を下したのか?
政府の見解は、残留兵がかってに傭
兵として、中国軍に加わったと発言し、
それが真実として、今も記録されている。
しかし、奥村さんら生存する元残留兵は、
軍司令官からの命令で軍に加わったと
発言する。
そして、勝手に加わったとして、
日本軍籍も剥奪され、軍人恩給の
保障もされていない。
国の為に戦い、上官の命令に従っていたのに、
なぜ、こんな仕打ちをうけるのか?
どうか真実を語ってくれと、奥村さんら
元残留兵は、国に対して裁判闘争を
行っている。
映画は奥村さんを通じて、この終戦直後の
日本軍がどのような行動をとってきたかを、
ロケは中国にまで及び、入念に描かれています。
奥村さんらスタッフは中国に飛び、終戦直後
からの残留軍らに関する資料を見つける。
そこに、一つの真実が見えてきた。
日本の軍司令官の澄田と中国国民党の
閻錫山(えんしゃくざん)との間に密約があり、
残留兵はそれに利用された事が
明らかになってくる。
当時の日本軍としても、残留兵士の帰国を
進めていたのだが、山西省でのこの不穏な
動きに参謀らが調べに来たが、極秘裏に
事は進められていた。
そして、事を進めていた澄田は戦犯として
裁かれるのを恐れ、偽名を使って
ちゃっかり一足先に帰国しているのである。
しかも戦犯として裁かれることもなかったと
いうおまけもつく。
「男たちの大和」でも、
軍の偉いさんは何かと理由をつけて、
玉砕覚悟の大和の沖縄行きに
乗艦することを拒んでいた。
(確か途中の長崎で降りたように
覚えていますが)
部下には、「死ぬまで戦え」と
命令するくせに、危険が迫ると
一目散に逃げる。
これが軍の上層部の実体、
お偉い軍人の真の姿で
あるのかと思うと、やるせなさが残る。
満州国で最強と謳われていた関東軍も
ソ連の南進が始まると当時満州に住んでいた
日本人を守るどころか、我先にと逃げている。
(これが中国残留孤児の原因の
一つでもありますが)
赤紙一つで召集し、挙句にかってに軍を出て
行ったから補償はしないという国に、
なんの愛国心をもてようかと、思えてくる。
今、小泉首相の靖国参拝からA級戦犯の
処置などいろいろな問題が出てきていますので、
この映画を見て、みなさんも色々と
考えて頂けたらと思います。
大阪では十三の第七藝術劇場のみですが、
連日盛況のため、上映回数も増えていますので、
一度足を運んでみて欲しいです。
「このままでは死んでも死に切れない!!」
奥村さんの言葉が胸に迫ります。
終戦からすでに61回目の敗戦記念日と
なりました。
前日に、ものすごい映画を見てしまい、
怒りと悲しみが、僕のこころの中で
渦巻いております。
この映画をぜひ、多くの人に見て
貰いたい、そんな想いが久しぶりに
起こりました。
映画「蟻の兵隊」
この映画の主人公の奥村 和一
( おくむら・ わいち ) さんは、終戦当時、
中国は山西省に駐屯していた陸軍第一軍に、
初等兵として従軍していた。
この第一軍(残留軍)の一部が、日本の
敗戦後も軍隊として機能を持ち、中国国民
党系の軍閥に合流して、中国l共産党と
戦ったという事実があった。
それが4年間も続き、約550人が死亡し、7
00人以上が捕虜となった。
よって奥村さんは敗戦後も日本へ帰る事が
出来ずに、9年後にようやく帰国出来たのである。
ここで問われる問題が出てくる。
ポツダム宣言受諾後、一斉の軍を保持する
ことを否定した日本政府が、このような
行為を行う命令を下したのか?
政府の見解は、残留兵がかってに傭
兵として、中国軍に加わったと発言し、
それが真実として、今も記録されている。
しかし、奥村さんら生存する元残留兵は、
軍司令官からの命令で軍に加わったと
発言する。
そして、勝手に加わったとして、
日本軍籍も剥奪され、軍人恩給の
保障もされていない。
国の為に戦い、上官の命令に従っていたのに、
なぜ、こんな仕打ちをうけるのか?
どうか真実を語ってくれと、奥村さんら
元残留兵は、国に対して裁判闘争を
行っている。
映画は奥村さんを通じて、この終戦直後の
日本軍がどのような行動をとってきたかを、
ロケは中国にまで及び、入念に描かれています。
奥村さんらスタッフは中国に飛び、終戦直後
からの残留軍らに関する資料を見つける。
そこに、一つの真実が見えてきた。
日本の軍司令官の澄田と中国国民党の
閻錫山(えんしゃくざん)との間に密約があり、
残留兵はそれに利用された事が
明らかになってくる。
当時の日本軍としても、残留兵士の帰国を
進めていたのだが、山西省でのこの不穏な
動きに参謀らが調べに来たが、極秘裏に
事は進められていた。
そして、事を進めていた澄田は戦犯として
裁かれるのを恐れ、偽名を使って
ちゃっかり一足先に帰国しているのである。
しかも戦犯として裁かれることもなかったと
いうおまけもつく。
「男たちの大和」でも、
軍の偉いさんは何かと理由をつけて、
玉砕覚悟の大和の沖縄行きに
乗艦することを拒んでいた。
(確か途中の長崎で降りたように
覚えていますが)
部下には、「死ぬまで戦え」と
命令するくせに、危険が迫ると
一目散に逃げる。
これが軍の上層部の実体、
お偉い軍人の真の姿で
あるのかと思うと、やるせなさが残る。
満州国で最強と謳われていた関東軍も
ソ連の南進が始まると当時満州に住んでいた
日本人を守るどころか、我先にと逃げている。
(これが中国残留孤児の原因の
一つでもありますが)
赤紙一つで召集し、挙句にかってに軍を出て
行ったから補償はしないという国に、
なんの愛国心をもてようかと、思えてくる。
今、小泉首相の靖国参拝からA級戦犯の
処置などいろいろな問題が出てきていますので、
この映画を見て、みなさんも色々と
考えて頂けたらと思います。
大阪では十三の第七藝術劇場のみですが、
連日盛況のため、上映回数も増えていますので、
一度足を運んでみて欲しいです。
「このままでは死んでも死に切れない!!」
奥村さんの言葉が胸に迫ります。
by fyamasan
| 2006-08-15 01:35
| ドキュメンタリー