ヒトラーの贋札~生きるべきか死ぬべきか?

史実は重し。
その言葉がピタリと当てはまる。


映画「ヒトラーの贋札」

あらすじ: 1936年のドイツ、ベルリン。
パスポートや紙幣など、あらゆる偽造を行うプロの
贋作(がんさく)師サリー(カール・マルコヴィックス)。
犯罪捜査局の捜査官ヘルツォーク(デーヴィト・シュトリーゾフ)に
捕らえられた彼は、マウトハウゼン強制収容所に送られる。
そこは犯罪者の送られる刑務所ではなく、ユダヤ人を
対象にした収容所だった。(シネマトゥデイ)


c0033213_6393169.jpg


アウシュビッツの収容所など、ユダヤ人虐殺がクローズ
アップされるナチスドイツですが、偽札までしていた事実には
びっくりしました。
原作者は、当事者の一人で、アドルフ・ブルガー(90歳)。
今のドイツのナチスの残虐行為への意識の低さに、執筆を思い立った
云われています。


「ヒトラー最後の12日間」
「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」
昨年の「ブラック・ブック」と戦後60年を境に
ナチスの戦争行為を検証してみる映画が相次いでいますが、
この「ヒトラーの偽札」も実に見ごたえがありました。

いつ殺されても仕方がないユダヤ人でありながら、
印刷技術があるということで、生かされる。
待遇は良く、他の収容所では考えられないもの。
しかし、自分たちの行為がナチスの延命行為であり、
同胞を裏切る行為でもある。

生きるために信念を曲げるのか?
それとも、死んでも信念を貫き通すのか?

c0033213_64119.jpg


このあたりも同じ収容所の人間たちの間でも意見が分かれ、
作者のベルガーは、死んでも信念を曲げないと誓う男。
その為、作業を遅らす行為をするのだが、遅すぎると
交代させられるので、それは死刑を意味することになる。
自分だけなら良いが、生きたいと願う収容所仲間のことを
考えると、本当に信念を貫くことは許されるのか?

その間を取り持つのが、主人公である、プロの
贋作師のサリー。
犯罪者であり、過去に悪事をはたらいている、彼が
「どう生きるのか?」
「生きねばならないのか?」
「何をすべきなのか?」
色々と悩みながらも、偽札作りに全力を傾ける。
この矛盾した行為に、なんとも言えない辛さを感じます。

仲間の一人が家族が殺されて嘆いている所に、
サリーがポツリと、「ナチの野郎が喜ぶだけだから、
泣くのは止めろ!」

この一言はずしりと、きました。

人間の醜さが前面にでてきますが、いかに人が良心の呵責と
せめぎあい生きていたか、ぜひともスクリーンで見て貰いたいです。

劇場数が限られていますので、見る機会は少ないと思いますが、
今年の見るべき映画の1本ではないかと思います。
[PR]
by fyamasan | 2008-02-03 06:41 | ヨーロッパ映画

メジャー監督、デビューを目指して!


by fyamasan
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28